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2014年12月

2014年12月30日 (火)

ホームズクラブの活動について(セミナー編)

ホームズクラブの目的は「シャーロック・ホームズおよびその関連事項についての研究をおしすすめること、ならびにシャーロック・ホームズを愛する者の親睦をはかること」です(JSHC会則第2条)。全国大会は、どちらかというとシャーロッキアン同士の親睦をメインにしているので、研究発表の場としては、春と夏に開催されるセミナーが中心となります。
現在は、春に東京セミナー、夏に軽井沢セミナーが開催されています。

(1) 春のセミナー(東京セミナー)
春のセミナーは、1989年に鎌倉でスタートしました。鎌倉セミナーは2010年に終了しましたが、2012年から開催場所を東京に移して再スタートを切りました。
毎年春の全国大会の前日の土曜日に開催される日帰りイベントですが、翌日の全国大会参加とあわせて参加される方も多くいます。
今年の東京セミナーは、東京例会の会場であるアトラスタワー茗荷谷で、大会前日の3月15日に行われました。会場が東京であることから、東京例会執行部が事務局を務めています。
今年の発表内容は以下のとおりです(詳細を書くとキリがないのでちょっとだけ)。

・「シャーロッキアンのためのラグビー講座」
……ラグビーのルール説明と、「スリークォーターの失踪」の翻訳に関する考察についての発表。正典翻訳者3名を前にして、翻訳の素人が色々指摘できるのもホームズクラブの良いところです。

・「電脳空間で辿る、知られざるジョージ・ターナヴィン・バッドとその一族〜ラグビー・プレイヤー並びに医師の一族について」
……作家になる前のドイルが医院を共同経営していたバッドとその一族の紹介。多くが医者と弁護士のエリート一族ですが、その中でバッドの兄は有名なラグビー選手だったとのこと。

・「こんな作品もシャーロック・ホームズ(仮)」
……女性のワトソン、デブやハゲのホームズ、ジャッキー・チェンのホームズ映画など、珍しいホームズ映像の紹介。

・ディスカッション「シャーロッキアンの定義について」
……果たして「ホームズが好き」というだけでシャーロッキアンと言えるのか?シャーロッキアンと名乗るには知識が必要なのか?といったことをディスカッションしました。


(2) 軽井沢セミナー
軽井沢セミナーは、ホームズ生誕100周年(『緋色の研究』出版から100年)に当たる1987年にスタートしました。正典翻訳の第一人者である延原謙の別荘「ホームズ庵」が信濃追分にあったことにちなみ、避暑を兼ねて毎年軽井沢で開催されています。当初は2泊3日で行われていましたが、数年前から1泊2日に短縮され、今にいたります。
今年は8月30日、31日の2日間、「いするの家」で開催されました。発表内容は以下のとおりです。

〔1日目〕
・「ホームズ・ドイル移入史異聞〜大正期を中心に、いくつかの話題を含めて〜」
……国会図書館にもないホームズ翻訳書の実物を見せてもらいました。こういう貴重な書籍を見たり触ったりできるのも、ホームズクラブの良いところです。

貴重な本の数々
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・「推理小説の「お約束」とシャーロック・ホームズ」
……「トリック」「密室」「アリバイ」などの推理小説の「お約束」(ガジェット)がホームズ物語の中にどれくらい登場するかについて考察。暗号が登場する作品は実は11編あるとのこと。

・「ドールハウスで表す新旧ホームズの対比」
……言葉で説明するより写真を見ていただいた方が良いでしょう。見事な作品でした(発表者の高橋恵美子さんの許可を得ています)。

超精密な『シャーロック』の部屋、MacBookもスマートフォンも見事です04_0002_2

『広辞苑』と比較するとその小ささが分かります
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テディベアによる正典名場面集も展示されました
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〔2日目〕
・「実用酒類便覧付 酒の味に関する二三の見解」
……正典に登場する「お酒」をピックアップし、どんなお酒がどんな場面で登場したかを分析した研究。正典には56回お酒が登場するそうです。

・「19世紀の古典暗号  ホームズの研究した暗号とは」
……ホームズの時代の暗号とはどのようなものがあったのかを詳細に調査した発表。1日目に出題された「王党派の暗号」は誰も解くことが出来ませんでした。

先ほどセミナーは研究発表の場と記しましたが、軽井沢セミナーは1泊2日のイベントなので、懇親の時間もたっぷりあります。大会よりも人数が少ないので、より密度の濃いコミュニケーションが取れるのも魅力の一つです。
来年の東京セミナーは2015年3月22日開催予定です。東京例会とは異なり、セミナーはホームズクラブ会員のみ参加可能です。
「全国大会編」でも書きましたが、ホームズクラブは1月から新年度がスタートします、。ホームズクラブに興味のある方は、是非JSHCにご連絡下さい。

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2014年12月29日 (月)

ホームズクラブの活動について(全国大会編)

ホームズクラブ(JSHC)の活動には、大きく分けてイベント(全国大会、セミナー)と会報の発行があります。
まずは公式イベントのうち、全国大会についてご紹介します。

全国大会は1978年に第1回が開催され(当時は「大会」ではなく「つどい」と呼ばれていました)今年の秋の大会で第73回を数えました。年2回、春と夏〜秋に開催されています。

(1) 春の大会
春の全国大会は、毎年3月の第2週または第3週に日帰りで開催されます。会場は東京近郊で、今年は王子の北とぴあでした(3月15日に開催)。主なプログラムは研究発表やアトラクション、参加者表彰、初参加者紹介、日本シャーロックホームズ大賞表彰、オークションといったところです。
今年の研究発表は「英国南部にドイルの足跡を求めて」。2013年10月に行われたシャーロッキン有志によるイギリス旅行のレポートです。ホームズコレクターとして世界的に有名なリチャード・ランセリン・グリーンのコレクションや、ドイルのお墓、アンダーショウ(ドイルの旧宅)などについて、スライド付きで紹介がありました。

スライドによるプレゼン
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アトラクションはワークショップ「ホームズごっこ」。参加者が班ごとに分かれ、正典の一場面を取り上げた寸劇を行いました。本格的な発声練習の後、各班思い思いの脚色を加えた寸劇をひろう。これが思いの外盛り上がりました。最もインパクトがあったのは、某有名翻訳家扮するバイオレット・ハンターの姿。金髪お下げ髪の某氏の姿が、参加者の目に焼き付きました。

本格的な発声練習
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プライバシーに配慮しモザイクを入れています
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参加者表彰というのは、10回、20回などのキリ番参加の方の表彰です。表彰された方にはバッジなどの記念品がもらえるのも、大会参加の大きなモチベーションの一つになります。

日本シャーロック・ホームズ大賞とは、ホームズ及びドイルに関する優れた作品などにJSHCから与えられる賞のことです。毎年11月1日から翌年の10月31日までに、日本国内で発表された出版物全体のほか、映像メディア、音声メディアなどすべてのジャンルの作品が対象です。
今年のホームズは、くもん出版の『名探偵シャーロック・ホームズ事典』。子ども向けの体裁は取っているものの、内容は一切の妥協なし。現在発売されているホームズ研究書の中で、ホームズ翻訳移入史について読めるのは、この本しかありません。大人の方にもお勧めの一冊です。

表彰式
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くもん出版『名探偵シャーロック・ホームズ事典』はこちら

オークションは一時期に比べると出品が減ってきたのは少々寂しいですが、それでも絶版本や珍しいホームズグッズが手に入る貴重な機会であることに変わりはありません。

アトラクションで使った小道具も売りました
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大会終了後は多くの参加者が2次会にも参加。さらにシャーロッキアン同士の交流を深めました(二次会も貴重な交流の場です)。

(2) 夏〜秋の大会
夏〜秋の全国大会は、1泊2日で地方で行われます。今年は11月8日、9日の二日間、宮城県の松島で開催されました。
プログラムは春の大会とほぼ同じ。時間が長い分、春よりも発表やアトラクションが多い傾向にあります。
松島大会の1日目は、基調講演「マッサンとリタ、スコットランドから陸奥へ」とアトラクション「松島で全国大会が開催されることに因んで」。
基調講演は朝の連続テレビ小説で一躍有名になったニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝に関する内容でした。ホームズが連載されている時期に竹鶴がスコットランドに留学していたこと、仙台にニッカの工場があることから、地方大会名物の「その土地の名物(?)」とホームズとを絡めたとても面白い講演でした(ホームズとの関係は微妙でしたが……)。

基調講演
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アトラクションは、日本三景の一つである松島で大会が開催されたことを受け、「ホームズ三景」要するに正典の挿絵ベスト3を決めようというもの。具体的には「緑柱石の宝冠」「最後の事件」「ウィステリア荘」の3作品のイラストについて、大会参加者にアンケートを取り、人気イラストが決定しました。挿絵の人気投票というのはなかなか珍しい企画なので、非常に盛り上がりました。

アトラクションの主旨説明
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3作品の挿絵のベスト3を決めます
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1日目のプログラムは17時には終了。後は夕食兼懇親会。懇親会終了後もグダグダと宴会は続き、12時過ぎにようやくお開きとなりました。この「グダグダ感」が地方大会の魅力でもあります。

宴の風景
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2日目は研究発表「『バスカヴィル家の犬』とダーウィニズム」。『バスカヴィル』にはどの程度ダーウィニズムなどの当時の科学観が反映されているかを考察した研究で、非常に興味深い内容でした。

本格的な研究発表
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1日目の挿絵人気投票アンケート結果の発表に続き、最後はオークション。準備委員のみなさんは、品物が集まるかかなり不安だったとのことですが、蓋を開けてみると昭和初期に翻訳された正典かマイリンゲンのホームズ博物館のピンバッチまで多種多様なグッズが集まり、大いに盛り上がりました。

『バスカヴィル』の絵柄のクロス
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2日目のお昼に大会は終了。別れを惜しみ、次回大会での再会を約束して、三々五々帰路に着きました。

来年の全国大会は、春は東京(飯田橋の家の光会館)、秋は福岡で開催されます。全国大会は原則としてホームズクラブ会員のみが参加することができるイベントです。ホームズに興味はあるけれど、ホームズクラブはどうも敷き居が高い、という方もいらっしゃるようですが、ホームズに関する知識などを問われることはありません。入会したら研究発表を行わなければいけない、などということもありません。
ホームズクラブの目的は、ホームズに関する研究とシャーロッキアン同士の親睦です。ホームズクラブは1月から新年度がスタートしますので、 新年を迎えるこの機会に、是非入会してみては如何でしょうか。

ホームズクラブの公式HPはこちら(休眠状態のように見えますが、ちゃんと稼働しています)。

追記:
全国大会の「記念品」について触れるのを忘れていました。全国大会では毎回参加者への記念品を用意しています。今年は、春の大会が豆本(三上於菟吉訳『白銀の疾失踪』)、秋の大会がサンマの形のペンケースででした。このサンマのペンケースは、東日本大震災以降、被災された方々が生きがいやコミュニティづくり、生活再建のため継続して取り組んでいる手作り品の一つとのこと。震災で大きな被害を受けた地域での全国大会開催ということで、被災地応援の一助として記念品に選んだとのことです。

今年の記念品
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2014年12月22日 (月)

『NHKパペットエンターテインメント シャーロックホームズ展』探訪の記

NHKスタジオパークの『NHKパペットエンターテインメント シャーロックホームズ展』に、JSHC会員有志で行ったときのレポートをお送りいたします(写真:中島ひろ子さん)。
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NHKスタジオパークにて、『NHKパペットエンターテインメント シャーロックホームズ展』が催されています。と同時にワークショップも行われているとのこと。12/14に、大発送の前に会員6名にて行ってきました。
スタジオパークの中に入っていくと、マッサンの展示や生放送のスタジオなど見向きもせずに、一番奥のスペースに大々的(主観が混じってます)に設けられていたシャーロックホームズのスペースに進んで行きました。ワークショップに参加するための整理券を入手した後、コーナーに入る前なのに皆で撮影大会が発生。

ワークショップ入り口
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が、開始30分近く前だったのに整理券の番号がもう50番台だったので、ふと我に返ってあわてて中に入ります。
中に入ると撮影の舞台やパペット、小道具が飾ってありましたが、ワークショップが行われる場所を見てみると、人形劇用の舞台が設置されており、既に大勢の人が開演を待って座り込んでいました(客層は小さい子どもたち及び保護者の方。大きいお友達もちらほら)。パペット等の鑑賞は後回しにして、我々もワークショップの行われる場所に行き、体育座りや正座(なんと椅子でなく絨毯の上に直接座りました)でちょっと窮屈な体勢で開始時刻を待ちます。
進行役のお姉さんが登場し観客の皆が声を合わせて「ホームズー、ワトソーン!」と呼ぶと舞台の袖からホームズとワトソンのパペットが登場。観客から歓声が沸き起こりました。

ホームズ登場!
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ワトソン登場! 
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ワトソンとお話しをする司会のお姉さん
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ワークショップでは、パペットの操作の仕方やパペット故の苦労話等、貴重な話を操演者(パペットを動かす方のことです)から直接伺うことができました。
曰く「パペット毎に操演者は決まっているので、ホームズを操っている方は他のパペットは操作しない」、曰く「パペットを操作している時は黒い服を着ています。理由は①人形浄瑠璃の人形遣いと同じように黒子という意味合い②撮影の際、黒以外の服を着ていると操演者の服に照明が反射してパペットに不要な光が映ってしまうため」
途中で、実際にパペット(スタンフォードとドレッパー)を台詞に合わせて操作する体験コーナーも設けられ、会場の男の子2人が上手く動かしていました(若干、うらやましい…)。

スタンフォードの操作
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ドレッバーの操作
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とワークショップは終了し、後回しにしていた小道具や舞台の鑑賞や撮影大会に突入いたしました。個人的には『二都物語』 と『レ・ミゼラブル』 の本が欲しかったです。で、ワークショップ参加者には、塗り絵二種類貰えるとのことで、我々も塗り絵をゲットしました。

奥に「赤毛クラブの冒険」の小道具が
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『二都物語』や『レ・ミゼラブル』は欲しい!
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ホームズとワトソンの部屋
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校長室
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十分に展示も堪能したあと、この日のメインイベントの大発送の会場に向かいました。
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なお、一緒に見学をした鷲平ケイさんも、ブログでこのときのことを書かれています。是非あわせてお読み下さい。
この『NHKパペットエンターテインメント
シャーロックーホームズ展』は来週日曜日、28日まで開催しています。28日にはワークショップも行われますので、参加されてみては如何でしょうか。

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