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2014年12月29日 (月)

ホームズクラブの活動について(全国大会編)

ホームズクラブ(JSHC)の活動には、大きく分けてイベント(全国大会、セミナー)と会報の発行があります。
まずは公式イベントのうち、全国大会についてご紹介します。

全国大会は1978年に第1回が開催され(当時は「大会」ではなく「つどい」と呼ばれていました)今年の秋の大会で第73回を数えました。年2回、春と夏〜秋に開催されています。

(1) 春の大会
春の全国大会は、毎年3月の第2週または第3週に日帰りで開催されます。会場は東京近郊で、今年は王子の北とぴあでした(3月15日に開催)。主なプログラムは研究発表やアトラクション、参加者表彰、初参加者紹介、日本シャーロックホームズ大賞表彰、オークションといったところです。
今年の研究発表は「英国南部にドイルの足跡を求めて」。2013年10月に行われたシャーロッキン有志によるイギリス旅行のレポートです。ホームズコレクターとして世界的に有名なリチャード・ランセリン・グリーンのコレクションや、ドイルのお墓、アンダーショウ(ドイルの旧宅)などについて、スライド付きで紹介がありました。

スライドによるプレゼン
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アトラクションはワークショップ「ホームズごっこ」。参加者が班ごとに分かれ、正典の一場面を取り上げた寸劇を行いました。本格的な発声練習の後、各班思い思いの脚色を加えた寸劇をひろう。これが思いの外盛り上がりました。最もインパクトがあったのは、某有名翻訳家扮するバイオレット・ハンターの姿。金髪お下げ髪の某氏の姿が、参加者の目に焼き付きました。

本格的な発声練習
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プライバシーに配慮しモザイクを入れています
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参加者表彰というのは、10回、20回などのキリ番参加の方の表彰です。表彰された方にはバッジなどの記念品がもらえるのも、大会参加の大きなモチベーションの一つになります。

日本シャーロック・ホームズ大賞とは、ホームズ及びドイルに関する優れた作品などにJSHCから与えられる賞のことです。毎年11月1日から翌年の10月31日までに、日本国内で発表された出版物全体のほか、映像メディア、音声メディアなどすべてのジャンルの作品が対象です。
今年のホームズは、くもん出版の『名探偵シャーロック・ホームズ事典』。子ども向けの体裁は取っているものの、内容は一切の妥協なし。現在発売されているホームズ研究書の中で、ホームズ翻訳移入史について読めるのは、この本しかありません。大人の方にもお勧めの一冊です。

表彰式
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くもん出版『名探偵シャーロック・ホームズ事典』はこちら

オークションは一時期に比べると出品が減ってきたのは少々寂しいですが、それでも絶版本や珍しいホームズグッズが手に入る貴重な機会であることに変わりはありません。

アトラクションで使った小道具も売りました
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大会終了後は多くの参加者が2次会にも参加。さらにシャーロッキアン同士の交流を深めました(二次会も貴重な交流の場です)。

(2) 夏〜秋の大会
夏〜秋の全国大会は、1泊2日で地方で行われます。今年は11月8日、9日の二日間、宮城県の松島で開催されました。
プログラムは春の大会とほぼ同じ。時間が長い分、春よりも発表やアトラクションが多い傾向にあります。
松島大会の1日目は、基調講演「マッサンとリタ、スコットランドから陸奥へ」とアトラクション「松島で全国大会が開催されることに因んで」。
基調講演は朝の連続テレビ小説で一躍有名になったニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝に関する内容でした。ホームズが連載されている時期に竹鶴がスコットランドに留学していたこと、仙台にニッカの工場があることから、地方大会名物の「その土地の名物(?)」とホームズとを絡めたとても面白い講演でした(ホームズとの関係は微妙でしたが……)。

基調講演
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アトラクションは、日本三景の一つである松島で大会が開催されたことを受け、「ホームズ三景」要するに正典の挿絵ベスト3を決めようというもの。具体的には「緑柱石の宝冠」「最後の事件」「ウィステリア荘」の3作品のイラストについて、大会参加者にアンケートを取り、人気イラストが決定しました。挿絵の人気投票というのはなかなか珍しい企画なので、非常に盛り上がりました。

アトラクションの主旨説明
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3作品の挿絵のベスト3を決めます
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1日目のプログラムは17時には終了。後は夕食兼懇親会。懇親会終了後もグダグダと宴会は続き、12時過ぎにようやくお開きとなりました。この「グダグダ感」が地方大会の魅力でもあります。

宴の風景
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2日目は研究発表「『バスカヴィル家の犬』とダーウィニズム」。『バスカヴィル』にはどの程度ダーウィニズムなどの当時の科学観が反映されているかを考察した研究で、非常に興味深い内容でした。

本格的な研究発表
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1日目の挿絵人気投票アンケート結果の発表に続き、最後はオークション。準備委員のみなさんは、品物が集まるかかなり不安だったとのことですが、蓋を開けてみると昭和初期に翻訳された正典かマイリンゲンのホームズ博物館のピンバッチまで多種多様なグッズが集まり、大いに盛り上がりました。

『バスカヴィル』の絵柄のクロス
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2日目のお昼に大会は終了。別れを惜しみ、次回大会での再会を約束して、三々五々帰路に着きました。

来年の全国大会は、春は東京(飯田橋の家の光会館)、秋は福岡で開催されます。全国大会は原則としてホームズクラブ会員のみが参加することができるイベントです。ホームズに興味はあるけれど、ホームズクラブはどうも敷き居が高い、という方もいらっしゃるようですが、ホームズに関する知識などを問われることはありません。入会したら研究発表を行わなければいけない、などということもありません。
ホームズクラブの目的は、ホームズに関する研究とシャーロッキアン同士の親睦です。ホームズクラブは1月から新年度がスタートしますので、 新年を迎えるこの機会に、是非入会してみては如何でしょうか。

ホームズクラブの公式HPはこちら(休眠状態のように見えますが、ちゃんと稼働しています)。

追記:
全国大会の「記念品」について触れるのを忘れていました。全国大会では毎回参加者への記念品を用意しています。今年は、春の大会が豆本(三上於菟吉訳『白銀の疾失踪』)、秋の大会がサンマの形のペンケースででした。このサンマのペンケースは、東日本大震災以降、被災された方々が生きがいやコミュニティづくり、生活再建のため継続して取り組んでいる手作り品の一つとのこと。震災で大きな被害を受けた地域での全国大会開催ということで、被災地応援の一助として記念品に選んだとのことです。

今年の記念品
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