« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

2015年7月11日 (土)

2015年6月度東京例会参加レポート

6月度東京例会のレポートを掲載いたします。例会の内容が伝われば幸いです。
--------
ここ2ヵ月ほど満員御礼で立ち見が出ている東京例会ですが(椅子を何とかします、済みません)、6月も引き続き盛況で30人以上の方に参加いただきました。

今月も満員御礼です。
0001

6月の東京例会は渡辺峯樹さんによる「文房具について」でした。正典に出てくる文房具をピックアップし、ホームズが活躍した当時の文房具がどのようなものだったかを紹介するという内容。当日はピックアップした文房具の一覧表を配布していただきましたが、ホームズ研究の基礎データとして便利かつ有用な資料だと思います。
渡辺さんは文房具の研究をするにあたり、伊東屋(銀座にある有名文房具専門店)に通って、店員さんから色々とレクチャーを受けたとのことで、万年筆やインク、鉛筆や紙といった筆記用具に関し、それぞれの歴史について詳しく説明していただきました。さらに鉛筆については、ステッドラーやファーバーカステルなどのドイツ製を始め、トンボや三菱などの日本製、さらには《隠居した画材屋》に出てきた「消えない鉛筆」(日本では1社だけ今でも作っているそうです)まで伊東屋で実際に購入され、実際の書き味を試すことができました。

タイプライターも立派な「文房具」です。
0002

ホームズが事件の捜査に行く時、常にポケットに入っていたと思われる文房具は拡大鏡、巻尺、名刺、手帳、封筒、鉛筆、大判のうす紙とのこと。その他に221Bの部屋には、より強力な拡大鏡、付けペンか万年筆とインク、吸取り紙があったという推測をされています。
もう一点、シャーロッキアーナ的な考察もありました。《最後の事件》のラストシーン、ホームズは手帳を3ページ分ちぎり、ワトスン宛の手紙を書いています。さて、このときに使った筆記用具は、鉛筆だったでしょうか、万年筆だったでしょうか。当時は鉛筆は勿論、既に携帯用の万年筆もありました。果たして渡辺さんの推理結果は……?今回の発表は、今年の『ホームズの世界』に掲載予定とのことですので、そちらをお読み下さい。
その他にも、《背中の曲がった男》でホームズがポケットからとりだした「うす紙」(恐らくパラフィン紙)とは原文では”tissue paper”というだとか、《ぶな屋敷》のジェフロ・ルーカッスルがお札を抜き取った「紙入れ」は、原文では“pocket-book”で、「札入れ」(米)と「手帳」(英)の意味があるだとか、興味深い話が色々と飛び出した充実の一時でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »