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2020年11月29日 (日)

2020年9月度オンライン月例会参加レポート

2020年9月度のオンライン月例会参加レポートを木口公司さんにお送りいただきました。オンライン月例会の雰囲気を多少なりとも感じていただければ幸いです。
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2020年9月の月例会は、9月13日(日)14時からスタート。コロナ禍の影響もあり、先月までと同様にZoomによるオンライン開催(5回目)。開始時点の参加者は40名前後。
今回のお題は「シャーロッキアーナ小ネタ集」の第3弾。バラエティに富んだ4つの発表が行われました。

○女王様はホームズがお好き? (若林孝彦さん)
”女王様”と聞いて単純に英国王妃を思い浮かべていたのですが、そうではなくエラリー・”クイーン”とのこと。見事にミスリードに引っかかりました。
フレデリック・ダネイとマンフレッド・ベニントン・リーの従兄弟同士の二人による推理作家であるなどの基本的な情報から始まり、ダネイがホームズに出会ったのは少年時代の闘病中であったこと、『シャーロック・ホームズの災難』や『恐怖の研究』の編集・執筆を行っていたことなど、クイーンとホームズとの関わりが多数紹介されました。
ダネイ含む著名人が写っているBSI会員の集合写真も印象に残りました。創設者のクリストファー・モーリー、ホームズ誕生日のフェリックス・モーリー、詳注板全集のベアリング=グールド。どちらの方も初めて顔を目にしました。
続いて、クイーン作品の紹介。『ギリシャ棺の謎』の内容を掘り下げた解説が始まりましたが、ネタバレを含む箇所もあるとのことで迷いながらもそこは聞かないようにしました。創元推理文庫の「イーデンホールの幸運」の注釈はホームズファンには気になる内容で、グールドの注釈でも触れられていない実在のマスグレーブ家についての記述があるそうです。
視聴後は自然とクイーン作品に強い興味が湧きました。ホームズに別角度から光を当てていることも分かり、手を伸ばしてみたいと思いました。

○シャーロック・ホームズの冒〇 (中島ひろ子さん、安藤祥子さん、小池浩子さん)
気になるお題の"冒〇"は、"冒頭"でした。主に依頼人が現れるまでのホームズとワトスンの掛け合いが行われる冒頭。事前に60編の中からお気に入りの冒頭を選ぶアンケートが実施され、その集計結果が発表されました。
発表者の御三方にとっての冒頭とは、「ホームズ物語で一番おいしいところ」、「一番の楽しみ」、「ホームズとワトスンにしか興味がないので」とのこと。冒頭に対する並々ならぬ思い入れが伺えます。
回答数がやや少なかったそうで、順位の下の方は団子状態。上位のみ挙げると、4位「緋色の研究」、3位「マスグレーヴ家の儀式」、2位「四つの署名」、1位「ボヘミアの醜聞」。二人の関係が丁寧に描かれているシーンやホームズが今となってはイケないことをしているシーンを押さえ、1位は「あのひと」についての語り。私は妙に納得してしまいましたが、発表者の方々にとってはそうではなかった模様。
集計する中で『生還』収録作品の得票率が極端に少なく、逆に「挨拶」の方は妙に多いことなどが分かり、その理由などを調査中だそうです。色々と発見もあったようで、今後の『ホームズの世界』に投稿予定とのこと。
お気に入りの冒頭がすぐに思い浮かばず、今回は投票できませんでしたが、今後はアンケートなどには積極的に参加したいと思います。

○長沼本ロイヤルランブル再録『紫烟』を動画で紹介&最近買った切手とレプリカ (吉田友哉さん)
最初に、2018年7月に行われた長沼本ロイヤルランブルにて上映された『紫烟』の紹介動画が流れました。グラナダ版「ギリシャ語通訳」の回の冒頭、ホームズとワトスンの会話シーンの字幕を『紫烟』を紹介するものに差し替えた非常に凝った作品。本来の字幕をそのまま利用する箇所もあるなど、初見ということもあり計算された会話の内容に唸らされました。
続いて、英国のロイヤルメールから8月に発売された記念切手の紹介。BBC『シャーロック』の登場人物6人(シャーロック、ジョン、モリアーティ、メアリー、アイリーン、マイクロフト)のセットと、ドイルが気に入っていた原作の4作品(「まだらの紐」、「赤毛組合」、「第二のしみ」、「踊る人形」)のセットの2種類。『シャーロック』の方は、ブラックライトを当てると隠された文字が浮き上がる仕様。『シャーロック』のパンフレット付きのものや、コイン付きのもの、フレーム装のもの、コレクターズキットなど、商品のバリエーションが多いようでした。
最後に、最近購入された『冒険』初版本のレプリカの紹介。カバーは豪華な金色、中は見覚えのある水色の本体。編集のクリンガーのメッセージカード付き。初版は、表紙イラストの通りの看板が空白、"Violent Hunter"という誤植があった、などの解説がありました。アメリカにある出版社のサイトで販売されていますが、日本には発送してくれないようです。今回は海外発送サービスなどを利用して入手したとのことでした。
コロナ禍が世界を席巻している現在では海外からの買い物にも制約があったりと難しいことも多いですが、こういった実体験を元にした話はとても参考になります。

○最近見つけた古いホームズ翻訳 その2 (北原尚彦さん)
山本周五郎が訳した探偵小説シャーロック・ホームズが掲載されている昭和初期の雑誌「新少年」(現存5冊ほどの希少本なのに2冊入手!)、既に所持されているものより表紙がきれいであるため買い足された版違いの「シャアロック・ホルムス物語」、日本が舞台で「消えた臨急」を換骨奪胎したと思われる漫画、ウィリアム・ジレットの劇を元に帝国劇場で演じられた外人劇シャーロック・ホームズの筋書集、などなど、北原さんが最近入手された貴重な品の数々が紹介されました。どれも長年培った知見、コネクションや情報網などがないと手に入らなそうなものばかり。これらの貴重な品々の収集を継続するために必要な金銭・手間・根気を無意識に想像してしまい、コレクション沼の深淵を垣間見た気がしました。
個人的に気になったのは、公文の英語教材。対訳と小説の形で訳したものの2種類が載っていて、翻訳のことがよく分かった構成とのこと。英語が堪能ではないので、現物は難しくても似たような書籍が欲しいと思いました。

休憩含め約3時間半、今回もまったく飽きることなく画面の前に座り続けることができました。次回の月例会もZoomでの開催になるそうです。今年入会したばかりでまだ他の会員の方々と直接お会いしたことがなく、残念です。反面、移動時間と交通費を考えると実に有り難くもあり悲喜交々ですが、今から待ち遠しいです。

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