カテゴリー「東京例会」の記事

2016年5月17日 (火)

2016年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!」解答編公開!

2月度東京例会で行ったリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ!第3回」、長らくお待たせしましたが、解答編を公開します!

【解 答 編】
「ホームズ、お手上げだよ。雲をつかむような話で、僕には難しすぎるようだ。ボルジア家の黒真珠はどこに隠されているんだ?」
「ワトソン、手掛かりは君自身の心にある。君の夢に出てきた四人の人物は誰だと思う?」
「一人は間違いなく僕自身だが、あとの三人は・・・」
「解らないなら、このレコードを見てごらん。」
ホームズはレコードラックから一枚のレコードを取り出し、ワトソンに渡した。
「ビートルズのレット・イット・ビーだね。」

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「君の夢にでてきたのは、ジョン・H・ワトソン、ジャン・パウル、ジョルジュ・サンド、そしてマスグレーブ家の執事リチャード・ブラントン、この四人さ。」
「そうか! ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ(※)だったのか! 四人の出身地はリヴァプール!」
「ご明察だね。リヴァプールでおきた事件と言えば?」
「そうか、ボール箱事件だ!」
「そのとおり。では、警察が犯人のジェイムズ・ブラウナーを逮捕した時に、凶器のナイフはどこに隠してあった?」
「そうか、衣類箱だ! ボルジア家の黒真珠もそこに隠してあったんだね。」

正解:
光文社文庫『SHの回想』P.84 「ボール箱」 レストレードからホームズ宛ての手紙に記載されたメイデイ号の客室係・犯人ジェイムズ・ブラウナーの船室にある衣類箱の中
新潮文庫『SH最後の挨拶』P.83 「ボール箱」 同じくメ-デ-号のスチュワード・犯人ジェームズ・ブラウナーの船室にある衣料箱の中

※ リンゴ・スターの本名はリチャード・スターキー(Richard Starkey)
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如何でしたか、分かりましたか?
今回の謎は昨年の第2回に比べるとかなり難しく、全チーム正解はなりませんでした。ビートルズに気付いたまでは良いけれど、「リヴァプールで起きた事件」が何か分からず時間を費やしたチームもありました(我々です……)。
このリアル宝探しゲームは、今後も定期的に開催する予定です。是非とも月例会で実際のゲームを体感してみて下さい。

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2016年4月17日 (日)

2016年2月度東京例会参加レポート

2月度東京例会の「ボルジア家の黒真珠を探せ!第3回」、まだ解答編を掲載していませんが、別所礼子さんから参加レポートをお送りいただきましたので先に掲載いたします。例会の雰囲気が伝われば幸いです。
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リアル宝探しゲーム、「ボルジア家の黒真珠を探せ!」の3回目が、1年ぶりに開催されました!出題者は第1回、第2回と同じ若林孝彦さんです。第1回は難問すぎて正解者ゼロでしたが、昨年の第2回は制限時間ギリギリになって最後のグループまでクリア。さて今回はどうでしょうか。

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ルール説明をする若林さん

当日、会場は定刻には満員御礼、それだけ多くの人たちがこの日を心待ちにしていたのです。チーム単位で捜査するので、あらかじめ5つのチームに分かれて着席。誰もが一位通過を狙おうと、会場はいつもと違って明らかにソワソワと落ち着かない空気でした。  若林さんから簡単な説明のあと、いよいよ問題文が配られました。今回はA4の紙1枚に、ワトソンと3人の招待客の会話が印刷されています。イラストもなく文字のみ。ここから、「『(作品名)』に出てくる○○の中」と、正確な隠し場所を探さなければならない。これはかなり難問です。

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真剣に説明を聞く参加者達

最初は読むのに真剣で会場はシンと静まり返っていましたが、数分たった頃からあちこちからヒソヒソ話が。捜査が始まったのです。問題文を丁寧に読むと、なんのことはない文章にあらゆるヒントが隠されています。ただ、ひとつ謎が解けたと思ってもさらにトリックが仕掛けられており、なかなか一筋縄にはいきません。
解答にたどりついたら若林さんにそっと耳打ちしてジャッジを待ちます。結果を言うと、私も入っていたチームがトップ通過できましたが、もう気持ちのいいこと!この謎解きにはホームズに関する知識はもちろん、問題文のさりげない一文から「あれ?」と気づく直感力、そこから別の何かを導く推理力、そして広く深い(広く浅いではなく)一般常識などあらゆる力が必要。ありきたりですがチームワークが大切です。

今回はかなりの難問で、5チーム中3チームが制限時間内(約2時間)に通過。それにしても、みんなで知恵を出し合って推理する時間の、なんと幸せなこと。若林さん、ありがとうございました。次回作も楽しみにしています。できれば1年を待たずしてチャレンジできることを願います。

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2016年3月15日 (火)

2016年2月度東京例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!」(ヒント編)

2月の東京例会で行ったリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ!」、如何でしょうか。正直ノーヒントでは難しいと思いますので、今さらですがヒントをご提供します。

【ヒント】

Hint
「私たち4人は、同じ町の出身です。」

※ボヘミア家の黒真珠の在り処が分かった方、あるいはこの4人の出身地が分かった方は、東京例会メールアドレス(jshctokyoreikai@gmail.com)宛に答えをお送り下さい!

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2016年2月21日 (日)

2016年2月度東京例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第3回」公開!(問題編)

【問 題 編】
「想像してごらん、ホームズ。僕は、時空を超えたレストラン“シンプソンズ”の奥まった席に座って、一人ウィスキー・ソーダを飲みながら、3人の招待客たちが集まるのを待っていたんだ。」
その夜の晩餐会は、実在、架空を問わずホームズ物語に登場する人たちに集まってもらい、ワトソンが感謝の意を表するというのが表向きの趣旨でした。
約束の午後8時をやや過ぎて、漆黒のドレスをまとった美しい女性が姿を現しました。左右に分けた長い黒髪が驚くほど印象的で、左側の髪に赤や白の美しい花飾りが挿してあるのをワトソンはじっと見つめました。
「何か? ワトソンさん、本日はお招きありがとうございます。」彼女は、フランスなまりの英語で挨拶しました。
「こちらこそ、貴女のような美しく聡明な方とお会いできて光栄です。」と、ワトソンは握手をしながら答えました。
「どうもありがとう。でも、私は決してそんな女ではありませんのよ。聡明な女だったら、あんなに男で苦労はしませんわ。芸術家ってそんなものよ。」彼女は微笑みながら答えました。
次に現れたのは、高級だが古めかしい茶色の上着を着た、額の禿げあがった初老の男でした。
「昨日、連絡をくださったワトソンさんはあなたですな。」彼の英語には強いドイツなまりがありました。
「私もホームズも、あなたには本当に傾倒しているんです。」ワトソンが答えました。
「今宵の晩餐は文学者の集いといったところですかな。これは楽しみですな。」と男が言いました。
 三人は、極上のクラレットを飲みながら、時の経つのも忘れて、文学談義、芸術談義に花を咲かせました。
「芸術は長く、人生は短い、と言ったのは誰だったかしら?」と黒髪の女性。
「ヒポクラテスですよ。私は時々思うのですが、人間の真の偉大さを証明する第一のものは、自分自身が卑小であることを認識することにありますな。」初老の男が続けました。
 三人目の招待客がやってきたのは、若い給仕が名物のローストビーフのサービスを始めようとした時でした。
体格がよくてひたいの広いハンサムな男でした。
「僕を素通りしないでくださいよ。」男は流ちょうなフランス語とドイツ語と英語の三カ国語で挨拶をしました。
三人が驚いた表情をすると、男は恥ずかしそうに答えました。「こう見えても、私は数カ国語を話すんですよ。」
「君が執事をしていたとはだれも気がつかないだろう。」とワトソン。
「こちらはどなたかしら? 失礼ですけど有名な方ではないようね。女たらしには見えますけど。」
「これは手厳しい。いずれ、もう一回生れ変わって、皆さんと一緒に世界的な有名人になりますよ。」男は笑って答えました。
 四人の話題は、ふたたび文学談義、芸術談義へと戻っていきました。
「皆さんは、誰のために作品を書いていらっしゃるの?」と黒髪の女性。
「私は、ホームズ物語を楽しみにしてくれている読者のためですね。」とワトソン。
「私のお付き合いしていたピアニストは、私はただ一人の人に聞かせるために弾く、と言っていましたわ。」
「そういえば、君は楽器が得意だったね。」ワトソンは元執事に尋ねました。
「楽器はなんでもこなしますよ、将来は太鼓をたたくつもりですが。」男が答えました。
ワトソンから、本当の目的が切り出されたのは、食後のコーヒーが出された頃でした。
「皆さん、今晩集まっていだいたのには、実は別の理由があります。ボルジア家の黒真珠が行方不明になっているのはご存じでしょう。ホームズいわく、黒真珠の隠し場所は私たちの出身地で起った事件が係わっているのだそうです。ホームズは、警察が犯人を逮捕した時に、凶器なんか探さないで、黒真珠を捜していたら必ず見つかったはずだよ、というのですが。」

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2016年2月度東京例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第3回」公開!(ルール説明編)

2月度東京例会で開催したリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第3回」、今回も盛り上がりました。第1回よりは易しいけれど、第2回よりはかなり難しい問題に、満員の参加者も大苦戦でした。折角なので、是非チャレンジしてみて下さい。
それでは、 まずはルール説明から。このルール説明にもいろんな仕掛けが組み込まれていますので、問題編とセットでじっくりお読み下さい。
※東京例会で配布したものと同一の内容です。
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【はじめに】

「ボルジア家の黒真珠」が何者かに盗まれ、ホームズ物語60編のどこかに隠されています。
「ボルジア家の黒真珠」は小さなものですから、ベイカー街221Bの部屋にある銀のコーヒー・ポットの中、ヘンリー・ベイカー氏の黒い帽子の中、ライヘンバッハの滝に残されたホームズの銀のシガレット・ケースの中など、どこに隠されているかわかりません。
皆さんの使命は、問題を注意深くよーく読んだうえで、観察し、推理し、「ボルジア家の黒真珠」の隠し場所を探し出すことです。
【ルールとガイド】
1.テキストとしては、光文社文庫版(日暮訳)を使用しますが、必要に応じて正典(原書)を使用、参照することとします。新潮文庫でもほとんど問題ありませんが、光文社文庫の方がベターです。
2.善良なる市民やシャーロキアンとしての一般常識は極めて重要です。例えば、アーサー・コナン・ドイルはエドワード7世からサーの称号を賜ったとか、新潮文庫の『ドイル傑作集Ⅰ ミステリー篇』の1番目と3番目はホームズ物語の外典(アポクリファ)とされているとか、アバディーンはスコットランド東岸の港町だとか、ロイヤル・アルバート・ホールはロンドンを代表するコンサート・ホールとして知られているとか、こういう事実は当然のことながら問題を解く前提となります。
3.効率よく解答を得ようとする場合は、ジャック・トレイシー『SH大百科事典』などが大いに役立つでしょう。また、もしお持ちであればCD-ROM版の『新潮文庫SH全集』が便利かもしれません。
 もちろん、ネットで調べるのも、博識のシャーロキアンに聞くのも自由です。
4.これはゲームですから、隠し場所を探すのに、年代学的な詮索をしたり、細かい時代考証をして、この時代にこんなことはあり得ないとか考えることは、推理の迷路に踏み込むだけですのでお勧めできません。
5.隠し場所は、『(作品名・長編なら第○章も)』に出てくる○○の中(○○文庫版○○ページ)、という形式で解答してください。
解答例: 『ボヘミアの醜聞』に出てくるボヘミア国王の鞣革の紙入れの中(新潮文庫版23ページ)、
もちろん、『ボヘミアの醜聞』に出てくるボヘミア国王のセーム革の袋の中(光文社文庫版28ページ)、
でも正解です。
複数個所に同じ隠し場所が出てくれば、これも正解とします。
6.解答は、「推理の過程」と「隠し場所」の両方が合っている場合に正解とします。
  当てずっぽうで「サー・ヘンリー・バスカヴィルが盗まれた古い黒ブーツの片方の中」と解答して、たまたま正解と一致しても、これは正解ではありません。
【東京例会ルール・ガイド】
1.東京例会では、チーム対抗で推理していただきます。 
  大きな声で話すと他チームに情報が筒抜けになりますので、十分ご注意ください。
2.出題者側で、テキスト、原著、PC等を用意します。
3.途中で、ヒントを出す予定です。
4.時間中であれば、質問を受け付けますが、当然のことながらお答えできない場合も多々あります。適切な質問であれば、質問と解答を全員に共有します。
5.正解にたどりついた(と思われる)チームは、解答を出題者にこっそりと話して下さい。外れた場合でも、推理が合っていれば、どこまで正しいかをお知らせします。  

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2015年11月23日 (月)

2015年大発送について

12月は東京例会はお休みで、年末恒例の大発送を行います。大発送とは、ホームズクラブの機関誌である『ホームズの世界』を、クラブ会員たちで発送するボランティア作業です。

できたての『ホームズの世界』を封筒に詰め、封筒に宛名ラベルを貼り、段ボールに詰めて、すぐに発送できるような状態にするのが一連の作業内容です。ブラックバイトのような厳しい作業環境ではなく、みんなで和気あいあいと作業を進める楽しい職場です。また、発送作業終了後にオークションや情報交換など、懇談の時間も沢山取っています。日程は以下の通りです。

【日 時】2015年12月13日(日)開場14時(厳守!!!!)〜17時
【会 場】アトラスタワー茗荷谷 3F 会議室
【交 通】東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅下車
【会 費】無料!

年末大発送は、春の全国大会に次ぐ参加者を誇る一大イベントです。作業開始時間前に来られる方も数多く、そのおかげで(そのせいで?)時間どおりにやってきたらもうやることがなかった、なんていうこともここ数年のお約束になりつつあります。そんなわけで、当日は開始時間である14時絶対厳守でお願いいたします(ここでいう「時間厳守」とは、14時「まで」に来るのではなく、14時「以降」に来てください、ということです。お間違えなく!)。

大発送終了後のオークションでは、小林・東山家から発掘されたホームズレアグッズを大放出します。その他有志によるオークションも予定しています。古本屋でも入手が難しいホームズ本を入手できるチャンスです!

なお、このイベントは基本的にはホームズクラブ会員限定ですが、入会を検討されている方、ホームズクラブに興味はあるけれど、どういう団体か詳しく知りたい、という方も歓迎いたします。ホームズクラブ会員以外は見ることの出来ない貴重な資料を目にすることができるチャンスです(その代わり、ボランティアとして働いていただきますが)。
参加ご希望の方は、東京例会執行部宛にメール(jshctokyoreikai@gmail.com)にてご連絡下さい 。

また、大発送終了後、忘年会を企画しています。こちらへの参加を希望される方も、東京例会執行部宛にご連絡下さい。

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2015年11月16日 (月)

2015年10月度東京例会参加レポート

10月度東京例会に参加した柴崎節子さんに、参加レポートをお送りいただきました。

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10月度東京例会は、吉田友哉さんによる「ホームズの地理学」というお話でした。ちなみにシャーロック・ホームズにおける「地理学」とは、聖典の記述を元にさまざまな情報を駆使して聖典に出てくる場所を特定していく、シャーロキアーナの中でもとりわけ人気のある分野です。今回はこの夏の軽井沢セミナーで発表された「ロンドン必見ホームズサイト」をさらにヴァージョン・アップして、やや踏み込んだお話をしていただきました。

軽井沢セミナーよりマニアックな内容でした。
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吉田さんは、ロンドンにあるホームズゆかりの地を、主に2006~7年ロンドン大学に留学されていた間に、次の資料をもとに実際に200ヵ所全部を完全走破されたそうです。

1. Finding Sherlock's London: ;Travel Guide to over 200 Sites in London by Thomas Bruce Wheeler.

iUniverse 2003.9 ; 110p  23cm ; ISBN-10:0595281141; ISBN:13: 978-0595281145 

2. London A to Z

3. Old Ordnance Survey Map 

吉田さんの凄さは、あらかじめ文献を読み調査したうえで、しっかりと目的意識を持って現地に赴き、ゆかりの地を特定し、カメラに収めていくことです。そしてそれを克明に記録し、ブログに残しています。

(→吉田さんのブログurl : http://tyzzz01.blog.so-net.ne.jp/archive/c15377070-1

また、この200か所の他にも、ロンドン・ウォーキング・ツアーやロンドン・ホームズ協会主催の聖地巡礼ツアーなどにも精力的に参加され、さらにはエディンバラのコナン・ドイルの暮らした家々、『バスカヴィル家の犬』の舞台ダートムア、ホームズ終焉の地ライヘンバッハの滝などへも足を延ばされているそうです。例会の限られた時間では駆け足でこれらのお話をうかがっただけでしたが、やはり生のお話は臨場感があり、一緒にロンドンの街を歩いているかのような気持になりました。

ライヘンバッハ訪問。
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映画『シャーロック・ホームズ』やBBC『シャーロック』の舞台を巡るウォーキングツアーもあるそうです。
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吉田さんの発表後恒例の情報交換に加え、今回は当然、例会の世話役お二人の得意分野であるラグビーの話題になりました。ワールド・カップにもホームズ、ワトソン、モリアーティが揃い踏みと聞き、ホームズの世界の広さ(!?)に、今さらながらびっくり、大喜びした一日でした。

上から、ホームズ、ワトソン、モリアーティ。
Holmes
Watson_2
Moriaty
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今回も初参加の方とお試し参加の方1名ずつ参加していただきました。JSHC東京例会では、新しいシャーロッキアンの方々を歓迎しています。敷き居が高いと思っているROM会員の方や非会員の方、そんなことは全くありませんので、是非ご参加下さい。

11月は大会開催月のため東京例会はお休みです。12月は年末恒例の大発送作業です。このイベントは基本的にはホームズクラブ会員限定ですが、入会を検討されている方、ホームズクラブに興味はあるけれど、どういう団体か詳しく知りたい、という方も歓迎です。日程については改めてご案内いたしますので、こちらも是非宜しくお願いいたします。

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2015年11月 3日 (火)

2015年9月度東京例会参加レポート

9月度東京例会に参加した小高茂さんに参加レポートをお送りいただきました。

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昨年の秋以来の久々に参加する東京例会は、定刻の13時30分に開始となりました。
今回のテーマは山下真由子さんの「文庫本で追いかけるシャーロック・ホームズ」であり、三部構成の中心となるPart1は、岩波文庫の菊池武一訳、新潮文庫の延原謙訳から河出書房の小林司・東山あかね訳までの主な文庫シリーズ11をとりあげ、各シリーズの特徴を説明し、日本語訳のタイトルを比較していくという「原書の内容に沿って出版されたもの」でした。
各シリーズの特徴に関しては、延原訳の新潮文庫には「冒険」「思い出」等から抜け落ちた作品を集めた独自の「シャーロック・ホームズの叡智」があったり(これはおなじみですね)、田中純蔵訳の旺文社版は3冊のみであったり、鈴木幸夫・阿部知二訳の角川文庫版は同じシリーズなのに主人公の名称が統一されていなかったりとそれぞれ突っ込みどころが満載で非常に興味深いものでした。

“The Return of Sherlock Holmes”の翻訳一覧。
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続いて60作品すべてについて11シリーズにおける日本語訳のタイトルが提示され、その場で比較されました。「ボヘミアの醜聞」が角川版の鈴木訳では「ボヘミア王家の色沙汰」という艶かしいタイトルであったり、「白銀号事件」等と訳される”Silver Blaze”に関しては鮎川信夫訳の講談社版だけが「消えた競走馬」という固有名詞が入っていないタイトルであったりとここでも興味深い数多くのお話が伺えました。
ところで、山下さんの前回の発表内容で取り扱った児童書の翻訳タイトルでは「パイ君は正直だ(株式仲買店員)」「死ぬ前の名探偵(瀕死の探偵)」「バカな毒婦(三破風館)」等の抱腹絶倒もののトンデモ訳が多くありましたが、流石に今回の一般向けの文庫に関しては、そのようなものはほとんどなく一安心(その反面、トンデモ訳とはいかないまでもどなたかが新しく翻訳する場合は、是非ともこれまでのステレオタイプにとらわれないタイトルを期待したいところですが、そうなると某英国探偵愛好団体が黙っていない(?)ので難しいところと思えるのは私だけでしょうか・・・)。ちなみに、60の作品の中でタイトルの訳が上記のシリーズすべてにおいて一致したのは下記の8作品でした。

(タイトル一致作品名)
「恐怖の谷」「三人の学生」「ボール箱」「瀕死の探偵」「悪魔の足」「サセックスの吸血鬼」「這う男」「ライオンのたてがみ」

最後の2作品は自分の中では「這う人」、「獅子のたてがみ」というタイトルがステレオタイプとなっていましたのでこの結果は少し以外でした。また、個人的には” The Yellow Face”はすべてのシリーズで「黄色い顔」だと思っていましたが、延原訳の新潮文庫だけ「黄いろい顔」で該当せずとのことでした。残念。

「這う人」も「獅子のたてがみ」も、旧版の新潮文庫でした。
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続いてPart2の「内容を編集したもの」では東京図書の全集を文庫化したちくま文庫や4長編と34の短編がランダムに掲載されている春陽堂少年少女文庫(恥ずかしながら初見でした)等、Part3「いろいろなタイプの文庫本」ではお風呂で読めるというフロンティア文庫等がそれぞれ紹介されました。そして最後に補足事項としての口コミ・インターネットにおける重箱の隅をつつく話題の検証(例:鮎川訳の講談社版では翻訳に用いた原書の影響により「ボール箱」の一部が「入院患者」に移動してきている→鮎川訳に慣れ親しんできたのに初めて知りました!)をもって発表は終了となりました。今回の発表は日本ならではのホームズの楽しみ方を堪能させていただき、非常に有意義な時間を過ごせたと思います。楽しい時間をどうも有難うございました。
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小高さんは昨年10月以来の参加でしたが、前回もレポートを書いていただきました。そのときの発表も山下真由子さんの正典の邦訳タイトルに関する発表でした。祖昨年10月のレポートはこちらをご覧下さい。

また、当日は開始前に満員御礼状態でした。引き続き多くのシャーロッキアンの方々に楽しんでいただける集まりにしたいと思っています。また今回は初参加の方2名、お試し参加の方3名が来て下さいました。JSHC東京例会では、新しいシャーロッキアンの方々を歓迎しています。敷き居が高いと思っているROM会員の方や非会員の方、そんなことは全くありませんので、是非ご参加下さい。

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2015年7月11日 (土)

2015年6月度東京例会参加レポート

6月度東京例会のレポートを掲載いたします。例会の内容が伝われば幸いです。
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ここ2ヵ月ほど満員御礼で立ち見が出ている東京例会ですが(椅子を何とかします、済みません)、6月も引き続き盛況で30人以上の方に参加いただきました。

今月も満員御礼です。
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6月の東京例会は渡辺峯樹さんによる「文房具について」でした。正典に出てくる文房具をピックアップし、ホームズが活躍した当時の文房具がどのようなものだったかを紹介するという内容。当日はピックアップした文房具の一覧表を配布していただきましたが、ホームズ研究の基礎データとして便利かつ有用な資料だと思います。
渡辺さんは文房具の研究をするにあたり、伊東屋(銀座にある有名文房具専門店)に通って、店員さんから色々とレクチャーを受けたとのことで、万年筆やインク、鉛筆や紙といった筆記用具に関し、それぞれの歴史について詳しく説明していただきました。さらに鉛筆については、ステッドラーやファーバーカステルなどのドイツ製を始め、トンボや三菱などの日本製、さらには《隠居した画材屋》に出てきた「消えない鉛筆」(日本では1社だけ今でも作っているそうです)まで伊東屋で実際に購入され、実際の書き味を試すことができました。

タイプライターも立派な「文房具」です。
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ホームズが事件の捜査に行く時、常にポケットに入っていたと思われる文房具は拡大鏡、巻尺、名刺、手帳、封筒、鉛筆、大判のうす紙とのこと。その他に221Bの部屋には、より強力な拡大鏡、付けペンか万年筆とインク、吸取り紙があったという推測をされています。
もう一点、シャーロッキアーナ的な考察もありました。《最後の事件》のラストシーン、ホームズは手帳を3ページ分ちぎり、ワトスン宛の手紙を書いています。さて、このときに使った筆記用具は、鉛筆だったでしょうか、万年筆だったでしょうか。当時は鉛筆は勿論、既に携帯用の万年筆もありました。果たして渡辺さんの推理結果は……?今回の発表は、今年の『ホームズの世界』に掲載予定とのことですので、そちらをお読み下さい。
その他にも、《背中の曲がった男》でホームズがポケットからとりだした「うす紙」(恐らくパラフィン紙)とは原文では”tissue paper”というだとか、《ぶな屋敷》のジェフロ・ルーカッスルがお札を抜き取った「紙入れ」は、原文では“pocket-book”で、「札入れ」(米)と「手帳」(英)の意味があるだとか、興味深い話が色々と飛び出した充実の一時でした。

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2015年6月20日 (土)

2015年5月度東京例会参加レポート

5月度東京例会の参加レポートを遠藤尚彦さんからお送りいただきました。かなり詳しいレポートですので、このときの雰囲気が伝われば幸いです。
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5月の東京例会の発表は豪華三本立て。
1本目は、植田さん発表の「実録!東京“研究会”―― 僕の手帳から(実名ご容赦!!)」。
2本目は、ペギー・パーデューさんによるトロントのACDコレクションの紹介。
3本目は、日暮さんから、アメリカのSH展覧会に関するお話。 

 最初の植田さんは、会員番号3番の古参会員。昨年、部屋を片付けていたら1975年くらいからつけていた手帳が出てきたので、そこにメモしてきたこととJSHC創設前後のことをお話する、という説明が冒頭にあった。確かに一言でまとめればそういう内容なのだが、3時間近い植田節炸裂のお話は、最初の「今のうち、忘れないうちに、昔のことを話しておいた方がいいかな、と思って今回お話することにした」という動機と「JSHCは趣味のクラブなので、年齢や地位、権威は全く関係ないのが良い」という言葉の後は、あっちに飛びこっちに飛び、とその全貌を示すのはとても無理。なので、自分のメモしたことを羅列する形で内容や植田さんの言葉の一部を紹介する。
・ロンドン旅行のお話。SHホテルに泊まれなったこと、イーストボーンを訪問してホームズを遠くに見かけたこと、を含め、この旅行のことは第1回大会で報告された。
・長沼弘毅と文通していた話。長沼さんに手紙で叱られたこと、『SHの大学』(1976)の1刷には16ヶ所の誤植があるが、2刷りではそれが直してある。第1章にピーター・ブラウ(PB)とジョン・ベネット・ショー(JBS)の名前が「君付け」で登場するが、
その頃、長沼70歳前、JBS60代前半、PB50代後半、そして植田さんは30代半ばだった。
・JBS家訪問記(1992)。彼のコレクションを見せてもらい圧倒され、「〈日本で〉ホームズのコレクションをしてもしょうがない」と思った。カメラが壊れてしまい、部屋の様子をスケッチした。その絵も紹介。
・高橋文義発行の『Diogenes』のお話(註:これは知る人ぞ知るという内容)。
・アメリカの支部報の紹介、Brother of three(JBSが作った支部)等。
・初期のBS通信や日本の幾つかの昔の支部報の紹介。
・1980年2月24日、第1回東京研究会のお話、最初の頃の集まりはいつも皆な自己紹介ばかりやっていた(これ以降の、手帳を見ながらの東京研究会での出来事のお話しには、今も元気でこの日も参加されている会員、もう辞められてしまった会員、お亡くなりになった会員、昔懐かしいお名前が次から次へと登場した)。
・皆な、40年間も個人個人でよくいろいろやってきたな、と思っている。最初、クラブができた時、40年も続くとは思わなかった。これも小林さん、東山さんのおかげ。これからは(これからも)、「アーカイヴ」という意味で昔のことを語り継ごう、こういう昔話をしてもいいのかなと思う。
最後に、「これからも頑張っていきたい」という意思表明として《赤い輪》でのホーム
ズの言葉、「学習に終わりはない」を引用して終わった。 
 
植田さんの「茶革の手帳」発見が今回の発表のきっかけとなりました。
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JSHCの初期の頃を知っている方や、古い会員と日頃からお付き合いのある方にとっては、昔のいろいろなエピソードを聞くことができて面白かったのではないか、と思う反面、クラブ歴の短い方には知らない名前が多過ぎて実感が湧かず話の面白さが伝わり難かったようにも感じられた。 

2本目のペギーさんの発表は、“The Tronto Public Library’s Arthur Conan Doyle
Collection”の紹介。最初に日暮さんからペギーさんの紹介があった。8年前に、年末の大発送に参加したのでお会いされたことがある方も多いはず、カナダの支部、The
Bootmakers of Toronto の会員で、2011年にはBSI会員に選ばれている。ご自身は以前日本に留学されたことがあるため日本語の会話には全然問題ないということで、日本語に英語が混じる形で、トロント図書館の所有する貴重な本やグッズを紹介していった。
 トロントはカナダ最大の都市で、その公共図書館Tronto Public Library には100もの分館がある。図書館内部には ACD Room というのがあり、そこはヴィクトリア朝の雰囲気を醸し出すようなレイアウトがされていて、ACDやSH関連の本が並べられている。
所蔵資料としては、ストランド誌、ストランド誌の編集者に宛てたドイルの手紙80通、ドイルのあまり有名でない小説やノンフィクションなどもあるが、全体の80%はやはりSH関連のものである。Edger Smith のコレクションであった『クリスマス年鑑』も所蔵。
『バスカビル』だけで400冊以上、非英語への翻訳も90言語あり、パスティーシュは数千冊。その他、コミックや定期刊行物、様々な支部のNews Letter、DVD、美術品(ステンドグラスなど)、広告、グッズなどの所蔵資料を順次、きれいなスライドを見せながら流暢な日本語で説明していった。SHやACDの3大コレクションの内では、日本からの寄贈書は一番多いのではないか、とのこと。ペギーさんの発表を聞いて、トロントに行きたくなった人は多かったと思う。 
 
トロント公共図書館への日本からの寄贈書
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3本目は、日暮さんによる、現在アメリカ国内で開かれている『SH展覧会』の紹介。
展覧会と言いつつも、その実、ダニエル・スタシャワーが監修に加わっている謎解き体験型のイベントがメイン。会場として1000m2の広さが必要だが、もしかしたら数年以内に日本でも開催されるのではないか(まだ何も決まっていない)、というお話だった。開催が決まったら、その際にJSHCが協力できれば喜ばしいことだろう。
以上、筆者にとっては、4時間に亘る濃厚な時間を過ごすことができた例会であった。

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