カテゴリー「月例会」の記事

2018年8月 9日 (木)

2018年5月度月例会参加レポート

5月度月例会の参加レポートを今井愛さんにお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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5月の月例会はあいにくの雨模様の中でしたが、お試し参加、初参加の方も複数いる、相変わらずの盛況ぶりでした。
発表は中藤二郎さんによる「ホームズ譚について」。短編集のエピソードについて、という事前案内だったため、短編のストーリーに関する内容かと漠然と思っていましたが、実際の内容は様々なホームズ全集における長編も含めたエピソードの並び順についてのお話でした。
恥ずかしながら、全集というのは基本的に単行本の刊行順であり、B・グールドの詳註版の事件発生順というのが例外なのだと思いこんでいましたので、まず並び順が話題になるという時点で目からウロコがはらりと落ちました。
確かに、私が持っている新潮文庫版だって、そもそも刊行順ではありません。(思わず帰ってから適当に並べてあったのを並べ直しました。)
ちくま文庫、河出文庫、小学館、偕成社、青い鳥文庫と次々にスライドで紹介されていきます。ずらりと並んだ書名、そして箱。

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箱!

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箱!!

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箱!!!

全巻セットに付属する専用の箱に会場ころどよめきが起こりました。どよめくところはそこなのか、というつっこみもあるでしょうが、そこですよね。やはりシャーロッキアンはコレクター気質の方が多いようです。
肝心の並び順ですが、単行本単位でも、刊行順もあり、長編4冊→短編集という並びもあり。さらにはエピソード単位でシャッフルされている全集も紹介されました。
各エピソードの発表順のほか、事件発生(と、されている)順、オリジナルの並び順もあり、個人的には小学館版の「まだらのひもの次が空き家の冒険」が衝撃的でした。なにしろ滝に落ちる前に復活していますが、それで話は通じるのでしょうか。まっさらな気持ちで読んでみたかった気もします。
青い鳥文庫は新版と旧版で並びが異なるというのも興味深かったです。新版は赤毛連盟から始まり、次巻でバスカヴィルの犬、緋色の研究は更に2冊を挟んだあとです。旧版も赤毛連盟から始まりますが、短編集が2冊続いて緋色の研究です。
いずれにしろ二人の出会いのエピソードより「つかみ」を重視ということなのでしょうか。新版は人気の高いバスカヴィルを前に持ってきて、よりその傾向が強いのか、などと想像するのも楽しいです。
こうしてお話をうかがうと、並び順というのは編集者の意図や出版社の思惑が色濃く反映されているものだと改めて気づかされました。
最後は収録作についての語呂合わせがいくつか披露され、「なるほど!」のうなずきとはてなマークと笑いが交錯する中、発表は終了となりました。
ちなみに、わたしのメモに残っているのは、邦訳の「最後の挨拶」所収のエピソードは「あ行」か「は行」で始まるタイトルで構成されている、というものです。「なるほど!」と思われましたか?
今までほとんど意識していなかったエピソードの並び順でしたが、とてもおもしろいテーマでした。次に全集をそろえるときはぜひ意識して選んでみたいです。(そしてもちろん、箱のあるものを!)

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2018年7月12日 (木)

2018年4月度月例会参加レポート

4月度月例会の参加レポートを掲載いたします。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。 
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4月度月例会は、遠藤尚彦さん進行による「みんな昔は新入会員だった ―― 自己紹介例会 第4弾」でした。
今回のお題は、「① 私をホームズファンにしたこの1冊」「② JSHC会員としての今年の目標」「③ あなたが考える、「石川県と関連するシャーロック・ホームズ物語」は何ですか?」の3つでした。事前の予想としては恐らく①に集中するだろうと思っていたのですが、思いのほか③も多く、参加した方々はしっかりと準備してきたことがうかがえました。

①の「私をホームズファンにしたこの1冊」では、最初に出会ったホームズ物語を紹介する方と、小林さん・東山さんの研究書を挙げる方の2種類に分かれました。
前者では、ポプラ社の山中峯太郎訳や阿部知二訳、偕成社、講談社青い鳥文庫などが、後者ではパシフィカ/西武タイムの『名探偵読本』、グールドの『ガス燈に浮かぶその生涯』、『ガス燈に浮かぶSH』などが紹介されました。お二人の本を読んでホームズクラブに入会した方はやはり多く、改めてお二人の偉大さと、日本人シャーロッキアンの拡大に果たした役割の大きさを実感しました。

②の「ホームズクラブ会員としての今年の目標」では、「正典をすべて読み返す」「しっかりとした研究を行う」「ホームズについてのブログを充実させる」「月例会に毎月参加してお友達を100人つくる」「○○さんに月例会で発表してもらう」などなど、数々の野心的な目標が発表されました。月例会は会員の皆様の研究発表の場でもあります。最近入会した方で「何か発表したい」という方がいらっしゃいましたら是非月例会執行部にご連絡を!

③に関しては「自己紹介」と呼ぶのが適切かどうかよく分かりませんが、一見何の関係もなさそうな石川県とホームズについて、よくもまあそんなこじつけ、じゃなくて意想外の着想を思いつくものだ、と感心させられるものばかりでした(シャーロッキアンに必要なのは「力技」)。石川大会で同じ内容の発表を予定している若林孝彦さんもかなり参考になった様子でした。

今回の自己紹介例会は、お試しの方も含めると参加者は50名という大人数だったため、2回転目の途中で時間切れとなりました。ホームズクラブは別名「自己紹介クラブ」と言われるとおり、会員の方は自己紹介がお好きな方が多いようなので、月例会執行部としては、来年以降もこの企画を続けていきたいと思っています。

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2018年6月 5日 (火)

2018年2月度月例会参加レポート

2月度月例会の参加レポートを小高茂さんにお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。 
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罪悪感を抱きつつもお休みが多く、月例会栄光の歴史に一人黙々と大空白時代を刻むシゲルソンの端くれの私ですが、若林孝彦さん主催のリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ!」が開催されるということで久々に2月11日の月例会に参加させていただきました。今回で5回目になるこのゲーム、今までとの違いはホームズ&ワトソンのヴィクトリア朝時代ではなく主人公がシャーロック&ジョンの現代が舞台ということです。

グループ対抗で行われるこのゲームに先立ち、まずはグループ分けが行われ、私は新井清司さんをリーダーとする221Bならぬ結成日@2.11Bグループに配属されました。そしておまちかねの問題文が配られると参加者全員が心の中で”The game is afoot!”と叫び、食い入るように読みはじめました。

ロンドンで3件、ダートムアで1件ひき逃げによる連続殺人事件があり、そこに残された手がかりをもとにボルジア家の黒真珠が隠されている場所を探しあてるというのが今回のゲームのルールです。しかしながら、数分間で確信したことは「難しすぎてわからない」。私の場合、ロンドンの地図を用意するのが有用とのことなのでロンドンで発生した3つの事件の場所を地図上で結んで三角形にして、その中心にヒントがあるのではと探してはみたものの検討違い。時間だけが過ぎ、あせりの色が濃くなってきたところで、若林さんからヒントが記載されたプリントが配布されました。

そのプリントの最後の一文を読んだ瞬間、頭の中である考えが閃き、原点回帰で問題文の最後の一文を確認したこところで思いました。「隠し場所、わかっちゃったかも。」
その後、閃いた考えを正典で確認して自信が確信に変わりました。結果的には大正解!だったのですが、その隠し場所にたどり着いた推理の過程(問題文で示された事件に共通点があるようでその共通点が見つかればクリアできることが判明)が説明できないとクリアとは認められないのがこのゲーム。2.11Bグループメンバーに推理を話し、今度は解答までの過程をメンバー全員で考えましたが、そこからが大苦戦。

そうこうしているうちにクリアするグループも出てきてあせりと疲れが見え始めました。共通点を見つけるためにグループメンバー全員、血眼になり事典やら正典やらをひっくり返し、出来たと意気込みつつ若林さんのところに答え合わせに赴いたところ、そこで言われた言葉は「考えすぎ」。どうやら我がグループの思考は出題者のはるか上をいってしまったようです。
結局、制限時間内ギリギリでのクリアとなり、結果としては芳しくないものになってしまいましたが、2.11Bグループ全員で協力しながら一つの目標に向かって長く濃密な時間を共有できたことは、早々とクリアして優越感に浸ることより意義があったのではと感じました。

その後、答え合わせの時間があり、今回のリアル宝探しゲームは終了しましたが、参加者からは次回の開催を強く希望する声が続出しました。私も同感で次回開催時には同じ2.11Bグループでリベンジを目論み、早々とクリアして優越感に浸りたいと思っています(もう前言撤回です)。

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2018年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!」解答編公開!

大変お待たせしました。2月度月例会のリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ!第5回」、解答編を公開します!

【解 答 編】
「ホームズ、これはABCD殺人事件ということだろ。」 「ぜんぜん違うね。まず、オートバイ連続殺人事件の謎を解いてみよう。最初は、昨年8月に発 生したバックウォーター卿(Lord Backwater)のひき逃げ事件だ。事件はどこでおこった?」 「ぼくらの目の前だ。ベイカー街(Baker St.)だ。」

「次におこったのは? その次は? 最後におこったのは?」 「次は、去年の11月、ダートムア(Dartmoor)でおこったローモンド公爵(Duke of Lomond)の 事件だ。その次は、クリスマス前にマグヌッセン家のメイド、アガサ(Agatha)がアビー・ロード (Abbey Ro.)でひき殺された。最後は、一昨日の夜、パブ・シャーロック・ホームズがあるチャリ ング・クロス(Charing Cross)でキャルホウン船長(Cap. Calhoun)がひき殺された事件。BDAC 殺人事件?」

「ちょっと違うね。2番目におこったのは、ロング・ダウン(Long Down)の塚のそばで、枢密顧問 官のローモンド公爵が殺された事件だ。つまり、事件はB・L・A・Cの順番におこったんだ。」 「そうか、わかったぞ! ブラック・ピーターってことか。」 「そのとおり。そして、もうひとつの方法、探しているものを探せだ。」 「問題の中で、探されているものを並べてみるよ。パソコン、%、巡査(police constable)、 パトロール・カー、枢密顧問官(privy councilor)、封筒?」 「つまり「PC」を探せということだ。」

「でも、封筒は?」 「封筒にも「PC」と書いてあったのさ。「PC」のイニシャルといえば?」 「そうか、ピーター・ケアリ船長だ! パトリック・ケアンズも「PC」だ。」 「そして、黒真珠がはいっていた封筒は封緘(seal=あざらし)されていて、中には一つまみの強い 刻み煙草が入っていた。これで隠し場所はわかっただろ。」


正解:光文社文庫『生還』「ブラック・ピーター」P.238/244 等 新潮文庫『帰還』「黒ピーター」P.169/175 等 の「PC」(パトリック・ケアンズ)のイニシャルが書かれたあざらし皮(sealskin)の煙草入れの中

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2018年5月 1日 (火)

2018年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!」(ヒント編)

2月の月例会で行ったリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ!」、すっかり間が空いてしまいましたが、ヒントを公開します。

【ヒント編】
「シャーロック、ヒントをくれないか」
「ボルジア家の黒真珠を探すルートは2つある。
ひとつは、連続殺人事件の謎を解く方法。
もうひとつは、探しているものを探す方法だね。」 「探しているものを探す? いったいどういうことだ?」 「問題をよーく読むしかないね。辞書の力を借りるのもよいかもしれない。
あー、あと普段使わないような難しい言葉は要チェックだな。 いずれにしても、最後はある海の動物がポイントになるね。」

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傾向と対策・ルールおよび問題はこちらです。もう暫くしたら解答編を公開します。

【傾向と対策・ルール編】
http://jshctokyoreikai.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/201825-3725.html

【問題編】
http://jshctokyoreikai.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/20182-5-ca1a.html

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2018年3月19日 (月)

2018年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第5回」公開!(問題編)

【問 題 編】
「ジョン、ぼくのパソコンをどこに隠した?」
シャーロック・ホームズは、レストレイド警部の使いだという若い金髪の(可愛い)婦人警官が持ってきた資料フ ァイルを手にしながら、まるで私に責任があるかのように尋ねた。
「隠してなんかいないよ。そこのくしゃくしゃにしたタイムズの下にあるだろ。」
その後、ホームズはしばらくパソコンで何やら作業をしていたが、また私に対してお尋ねがあった。
「ジョン、パーセントのキーはどこにあるんだ?」
「シフト・キーを押しながら5を押す。」私は、いささかむっとして答えた。
ホームズはひとことの礼もいわず、さらに作業を続けていたが、
「ジョン、どうやら連続殺人事件のようだ。」と低い声でつぶやいた。
「去年、マグヌッセン家のメイドが横断歩道でオートバイにひき逃げされて死んだのを覚えているかい?」
「セント・ジョンズ・ウッド駅の近くの例の横断歩道だろ。大量の七面鳥の大きな包みを抱えて、前がよく見えなかったんじゃなかったっけ?」
「そのとおり。では、半年ほど前、バックウォーター卿がオートバイにひき逃げされて死んだのは覚えてるよな?」
「忘れるわけがないだろ。8 月の暑い日だったよな。窓が開けっぱなしだったから、ドスンという音が聞こえて、野次馬が大騒ぎして巡査を探しまわるは、その巡査はパトロール・カーを探しまわるは、救急車はワンワンうるさいし、 大変な騒ぎだった。」
「そして一昨日の夜、有難くも名探偵の名前を冠したパブのすぐそばで、ローン・スター号のジェイムズ・キャルホウン船長が同じようにひき殺された。」
「キャルホウン船長? いったい誰だっけ? レストレイドが知らせてきたのはその件だね?」 「それだけじゃない。もう1件、同じようなオートバイによるひき逃げがあったことがわかった。」
「ということはただの事故ではなく、殺人事件だってこと? もう1件というのは?」
「レストレイドの報告書によれば、昨年 11 月 21 日、ダートムアにあるロング・ダウンの塚のそばで、枢密顧問官で著名な考古学者のローモンド公爵がオートバイに跳ね飛ばされて死んだ事件も、一連の事件のひとつらしい。しかも、目撃したのがあのモーティマー先生で、死体がなかなか見つからず、草むらを探しまわったと書いてあるな。」
「連続殺人事件だという証拠でもあるのかい?」
「まず、死体に付着していた微量の黒い塗料がすべて同一のもので、トライアンフのサンダーバード・ストームという車種、色はジェットブラック、だそうだ。タイヤ痕、遺体についた打撲や傷の位置、目撃者の証言や監視カメラの映像などをもとに、同一犯によるひき逃げ殺人事件と断定した、とある。犯人は、身長170センチ前後、中肉中背、 ヘルメットを被って、黒いつなぎの作業着、年齢、性別、人相等は一切不明。国内の同一車種をすべてあたったが、該当する車両は発見できなかった、と書いてある。」
「被害者に共通点はないの?」 「バックウォーター卿とローモンド公爵は面識はなかったようだ。船長は水夫からのたたき上げ、メイドは労働者階級だ。4人に共通する点はイギリ ス国籍というくらいかな。性別、年齢、住所もまちまち、事件があった場所も3件はロンドン市内だが、1件は遠く離れた場所だ。」
そう言って、ホームズはレストレイドの報告書を放ってよこした。 「一昨日の事件には犯人の遺留品がある。警察が現場を探しまわって発見したのが、封緘されたごくありふれた封 筒。封筒を開けてみると、なんと中から素晴らしく上質な黒い真珠と一つまみの強い刻み煙草がでてきたそうだ。」
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2018年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第5回」公開!(傾向と対策、ルール編)

2月度月例会で開催したリアル宝探しゲーム「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第5回」の問題を公開します。今回も難しかった……。月例会に参加されなかった方も是非チャレンジしてみて下さい。
それでは、 まずはルール説明から。このルール説明にもいろんな仕掛けが組み込まれていますので、問題編とセットでじっくりお読み下さい。
※月例会で配布したものと同一の内容です。
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【はじめに】
「六つのナポレオン像」に出てくる「ボルジア家の黒真珠」が何者かに盗まれ、ホームズ物語のどこかに隠されて います。「ボルジア家の黒真珠」自体は小さなものですから、60編中のどこに隠されているかわかりません。
皆さんの使命は、問題を注意深くよーく読んだうえで、隅から隅までしっかりと観察し、論理的になーるほどとい う推理をして、「ボルジア家の黒真珠」の隠し場所をつきとめることです。

【傾向と対策】
1.シャーロキアンや善良なる市民としての一般常識はとっても重要です。 例えば、
・ロンドン市内の地理や交通の常識とか、
・ちょっとした英語の知識とか、 今回は、ミステリーをよく読んでいる人は、よりゲームを楽しめるかもしれません。 でも、常識や知識がかえって邪魔になることもあるので、そこは要注意です。
2.効率よく解答を得ようとする場合は、ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』などが大いに役立つでしょう。
また、今回は、ロンドンの地図や辞書を用意されるのも、有用だと思います。
3.至る所に、偽の手掛かり、いわゆるレッドヘリングが仕掛けられていますので、十分ご注意ください。
4.これはゲームですから、隠し場所を探すのに、重箱の隅をつつくような年代学的な詮索をしたり、細かい時代考証をして、この時代にこんなことはあり得ないとか論証することは、推理の迷路に踏み込むだけですのでお勧めできません。

【JSHC月例会 ルール】
1.テキストとしては、新潮文庫版(改版・延原訳)及び光文社文庫版(日暮訳)を使用します。 (今回は、たぶん誰の翻訳を使っても大丈夫でしょう。)
  必要に応じて正典(原書)を使用、参照するのもよいかもしれません。
2.月例会では、チーム対抗で推理していただきます。
ネットや参考書で調べるのも、ライバルチーム以外の物知りの友人に聞くのも自由です。
ただし、大きな声で話すと他チームに情報が筒抜けになりますので、十分ご注意ください。 3.途中で、ヒントを出す予定です。
4.時間中であれば、質問を受け付けますが、当然のことながらお答えできない場合も多々あります。適切な質問であれば、質問と解答を全員に共有します。
5.正解にたどりついた(と思われる)チームは、解答を出題者にこっそりと話して下さい。外れた場合でも、推理が合っていれば、どこまで正しいかをお知らせします。
6.隠し場所は、『(作品名・長編なら第○章も)』に出てくる○○の中(○○文庫版○○ページ)、という形式で解答してください。
解答例:『ボヘミアの醜聞』に出てくるボヘミア国王の鞣革の紙入れの中(新潮文庫版23ページ)、
『ボヘミアの醜聞』に出てくるボヘミア国王のセーム革の袋の中(光文社文庫版28ページ) 複数個所に同じ隠し場所が出てくれば、これも正解とします。
7.解答は、「推理の過程」と「隠し場所」の両方が合っている場合に正解とします。 当てずっぽうで「サー・ヘンリー・バスカヴィルの盗まれた古い黒ブーツの片方の中」と解答して、たまたま正解と一致しても、これは正解ではありません。

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2018年1月 8日 (月)

2017年11月度月例会参加レポート

11月度月例会の参加レポートをAさん(匿名)にお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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今の会場になってから4年ぶりに参加しました。そういう人が集まる日だったのでしょうか、私だけではなく、お久しぶりな方が多かったようです。今回はお試し参加の方が1名と初参加の方が1名、他にも大勢いらしており、座る席が足りなくなるほどでした。

今回は2部構成で、はじめは松浦宏江さんの「ホームズの音楽」。松浦さんの発表も久しぶりとのこと。シャーロックや聖典にでてきた歌曲を紹介してくださいました。それにしても、紹介された曲に登場する娘さんの死亡率の高いことといったら!「娘がいた。その娘は死んでしまった」的な歌詞のものばかり。その当時の流行なのかドイルの好みなのか、そのあたりも気になります。録音された伴奏に合わせて松浦さんが実際に歌ってみせてくださり、その美声にうっとり聴き惚れました。

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正典に登場する音楽を実演していただきました

つづいて北原尚彦さんとイシイジロウさんによる、NHK BSで放送された「謎解きLIVE CATSと蘇ったモリアーティ」の裏話でした。ホームズ作品に出てくる小道具を用意したり、トリックやアリバイに矛盾が生じていないか確認作業をしたりといった苦労話などを伺いました。見ている側にはわからない大変さがあったようです。放送のときはリアルタイムで謎解きに挑戦しましたが、一番最初の伏線部分をはじめ、重要な点をことごとく見落としてしまいました。でも、私は気づかなかった細かいところも、全国の視聴者は見逃してくれないので気が抜けなかったことでしょう。

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番組の裏話を色々とお話いただきました

途中から番組プロデューサーの方がサプライズゲストとして来てくださり、北原さんやイシイさんとは違った視点での裏話を聞かせていただきました。
その後のオークションは時間が押してしまって早足でしたが、北原さんの見事な司会でとても盛り上がりました。

最後の事務連絡では12月の発送作業についての案内がありました。「時間厳守」という言葉が「遅れないように」ではなく、「早く来すぎないように!」という意味合いで使われるのはJSHCならではですね。

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2017年11月26日 (日)

2017年10月度月例会参加レポート

10月度月例会の参加レポートを佐原由紀さんにお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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10月8日に開催された月例会は遠藤尚彦さんによる「××なシャーロッキアンもすなるホームズ研究というものを、新入会員の私もしてみんとてするなり」でした。
現在まで日本を含め世界中で多くの人が行ってきたホームズ研究「シャーロッキアーナ」。それはいったいどのようなもので、現在までどんな研究が行われてきたのか代表的な研究の例をご紹介頂き解説していただきました。

会場は満席で、新人会員向けということもあり、早速、会員歴が浅い人中心に前に座るようにとのアナウンスがありました。新人会員の私は一番前に座りましたが、後ろの方を見渡すとベテラン会員の方がずらりと並ばれていて、普段とは違った光景に新鮮さを感じました。

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おかげさまで10月も満席でした。

今回の内容は、有名なホームズ研究の紹介(海外編)、すごいホームズ研究の紹介(国内編)、何回も出てくる研究テーマなどのラインナップで、それぞれのテーマごとにいくつかの研究例が紹介されました。いくつか用語や内容について難しいと感じたものもありましたが、新人の私でも知っている有名なものや、耳にしたことのあるものもあり、興味深く聞くことができました。

まず、ホームズ研究の海外編が紹介されました。まず、「ワトスン博士は女だった」と「ワトスン博士は女でなかった」が紹介されました。前者のナンセンスな結果を導き出す研究を、後者がナンセンスな研究をもってして反論する遊び心のある研究で、読者はユーモアのセンスを持って読むことが大事だそうです。この研究の詳しい内容説明は、月例会執行部のAさんにバトンタッチされました。ユーモアのある説明と分かりやすい解説に会場が笑いに包まれました。その他にはドロシー・L・セイヤーズの「ワトスン博士の洗礼名」やアンソニー・バウチャーの「後期のホームズは替え玉か」などの説明がありました。

国内のホームズ研究では、今では常識に近いものですが、当時あまり知られていなかったすごい研究が紹介されました。具体的には、實好達郎さんのまだらの紐において毒殺殺人は可能であったかのかという研究や、渡辺峯樹さんのロンドンの地下鉄に関する研究やホームズの電報についての研究などの有名な研究が紹介されました。有名すぎてご存知の方がほとんどで、これには、参加者の反応も多く、会場が沸き立ちました。自分が興味を持ち疑問に思うことに対して正典を読み込み、徹底的に調べ抜くことは時間と根気のいる作業ですが、研究の基礎的な部分であり不可欠な過程だと感じました。

そして、何回も出てくるテーマとしては、「バリツ」の正体、夏目漱石とホームズ、半七捕物帳のホームズからの影響などがあり、以前から国内海外問わず色々な方が説を述べているそうです。これらのテーマは私でも本などで読んだことがあったり、よく耳にするテーマだったので、頷きながら聞くことができました。また、このようなテーマを扱う場合には先行の調査が必要でそれらの研究に対して敬意を払って行うことが何よりも重要だそうです。
また、ホームズのキャラバッシュパイプについてのそのイメージを定着させたのは俳優のウィリアム・ジレットですが、ジレットがそれを選んだ理由の一つに、パイプを手で持っても顔が隠れないというきちんとした理由があるそうです。個人的にこれには深く感心させられました。物事には必ず何らかの根拠があり、研究においてもしっかりと根拠を明らかにして、進めていくことが必要なのだなと思いました。

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ホームズ研究は決して難しいものではありません。「気になることを調べてみる」のが最初の一歩です。

始めから終わりまでとても濃い充実した内容で、学ぶことの多い発表でした。私自身、研究というとまずテーマを決めることが難しいという印象を持っていたのですが、自分の得意とする分野から焦点を当てたり、まず疑問をもって「とりあえず、自分で調べてみる!」そして分からなかったらJSHCの詳しい先輩方に聞く!ことが肝心なのだと感じました。
今回の発表は、ホームズ研究に触れるとてもいい機会になりました。これからに生かしたいと思います。

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2017年8月13日 (日)

2017年6月度月例会参加レポート

6月度月例会の参加レポートを安藤祥子さんにお送りいただきました。自己紹介例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。 
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6月11日に開催された6月度月例会は、日暮雅通さん&北原尚彦さんによる「児童&YA向けホームズものについて語ろう」でした。
SNSなどで話題になっていたこともあり、当日は開場5分前で既に沢山の方で溢れていて用意された予備のパイプ椅子も全て無くなり、満員御礼のなかで始まりました。

はじめに“児童向け正典訳の歴史的変遷”ではもっとも古い資料として1901(明治34)年に女学生向けの雑誌『花あやめ(女学世界)』に掲載された「花嫁のゆくえ」が紹介され、会場からは納得の歓声が上がりました。
昭和初期には児童向けの全集にホームズ作品が収録されていたようで、貴重な資料が紹介される中、その時代ごとの特徴も様々あったとの事でした。
今年新たに生まれ変わった山中峯太郎版『名探偵ホームズ全集』のように児童向けにリライトされた作品が多かったようで、ホームズの相棒がウィギンズになったりワトソンがこどもになったりと…なかなか興味をそそられる内容のものが沢山ありました。
さらに雑誌の付録の中にもホームズ作品が含まれていることもあったのですが、付録は表紙にタイトルが書かれていないことが多いので把握するのが難しい…と北原さんならではのエピソードに会場から笑いが起こりました。
しかし、そうした現状を見直して偕成社のシリーズ辺りからきちんと翻訳されるようになったそうです。この頃の作品から学校の図書室などでお馴染みの表紙がスクリーンに出てきたので歓声がチラホラ…。
そして個人的にものすごく楽しみにしていた、青い鳥文庫のホームズも紹介していただき、興奮しながらも写真を撮らせていただきました。
最初の雑誌から116年経つ現在も『キラキラ名探偵』を始めとする新しい児童向けホームズも次々と発売され、ホームズの人気の高さを改めて実感しました。

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青い鳥文庫の紹介

休憩をはさみ解説を日暮さんに代わりまして“児童向けと大人向け、正典翻訳の違い”では児童書の翻訳ならではの様々な違いを紹介。
児童書は原則的に長い段落は無しで。文字も大きくなるのでページ数が増えてしまい、話を短くしなくてはいけないとの事。表記(ベイカー街→ベーカー街、〜son→〜ソン等)や表現の方法(頭のおかしいやつ→おかしなことを考えるやつ等)も厳しいので細かく手直しをしていたようで、同じく文字数の多い『チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン』や差別表現のある『唇のねじれた男』なども直すことがあるそうです。

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児童書翻訳時の注意事項

これらは出版社によって違いがあり、通常の翻訳よりも手間がかかることもあり児童書は大御所の翻訳が多いのだそうです。
普段から児童書に馴染みがあったので違和感なく読んでいたのですが、これから大人向けの訳を読むときは上記の違いを読み比べてみたいと思いました。

そして再び北原さんに代わり“児童向けと、ヤングアダルト向けパロディ(ラノベ含む)の昨今の広がり”では、海外の作品を訳したものと日本オリジナルのものを先ほどと同様に古い作品から順番に紹介していただきました。
パロディの種類は、
・なりきり系(名前が同じシャーロック少年が事件を捜査するなど)
・動物系(ネズミや犬のホームズ、面白いものではホームズのズボンが登場する作品もある)
・不正規隊系(ウィギンスなどが主人公でホームズが登場するものもある)
・身内系(ホームズの兄弟や子孫、YAは女の子のことが多い)
・ヤングホームズ系
・ファンタジー&ホラー系
・ゲームブック系
など、とても幅広く大人向けのパスティーシュやパロディとはまた違う楽しさがありとても興味深かったです。
途中北原さんの書かれた作品も紹介されて拍手が送られました。
今回のテーマとは離れますが、ホームズスタイル(インバネスコート&鹿討帽)の主人公が登場する児童書もたくさんあるので、子供達は知らない間にホームズに馴染んでいるのかと思うと…単純ですがホームズってすごいな、と感動してしまいました。
北原さんの紹介に続いて日暮さんによる“未訳の海外ヤングアダルト向けパロディの紹介”では未発表の作品と、日本で出版された本の原書との比較を解説。
日本で出版されたものの続編は未発表の作品がたくさんあるようで、続きが読みたいのに翻訳されないから読めないもどかしさがとても伝わってきました。
児童書は表紙のデザインがそのままのものが多いのですが、YAでは若者向けのデザインに変更されることがあるようです。
そして最後のスライドが紹介されると、盛大な拍手のなか両先生による素晴らしい発表が終了しました。
今回の月例会では貴重な資料を拝見できただけでなく、お二人の楽しそうなやり取りを間近で聞くことが出来て本当に楽しかったです。

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