カテゴリー「月例会」の記事

2020年6月21日 (日)

2020年4月度オンライン月例会参加レポート

2020年4月度のオンライン月例会参加レポートを川端知樹さんにお送りいただきました。月例会初の試みだったオンライン月例会の雰囲気を多少なりとも感じていただければ幸いです。
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4月12日(日)にオンライン月例会が開催されました(14時~17時)。
JSHC月例会ウェブサイトで「新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえて会議室での開催に代わりZoomというウェブ会議サービスを利用したオンラインミーティングを開催します。」旨のお知らせを見た時、昭和の文系オジさんである私は、「Zoomって何ですか?」から始まりました(汗)
メンバーの皆さんとお話ししたい一心で、Eメールで参加申し込みをし、Zoomの公式サイトに入ったのですが、恥ずかしながらなかなか理解できず、「サインアップ(無料)」が新規登録のようなものかと思ってサインアップしたのですが、本当にサインアップできたのか?という状況でした(涙)
Googleなどで使用方法を検索したところ、「ウェブカメラ、マイク、スピーカーが必要です。」「3名以上(3台以上の機器)のグループミーティングで使用する場合は40分まで無料(40分を超えると有料?)」などの情報に踊らされ、不安は募る一方でしたが、当日、何とか「参加(ミーティングに参加する際の「氏名」を「スマホの機種名」にしていたなどのチョンボはありましたが…)」できました(昭和の文系オジさんでもOK!!)。
今回の例会のテーマは、「みんな昔は新入会員だった〜自己紹介例会」で、各人2分で「JSHCに入会しようと思ったきっかけ」「初めてホームズ物語を読んだ時の感想」「初めて出会ったホームズ作品とその感想」「ホームズクラブのイベントに初めて参加した時の感想」「ホームズ以外の趣味について」「JSHCや月例会に提案したいこと」などについて発表しました。
私は、小学校時代に「まだらの紐」を読んだのがホームズ作品との初めての出会いだったのですが、「初めてのホームズ作品は『まだらの紐』です。」という方が少なからずいらっしゃり、なぜか嬉しくなりました。
40数名が熱く語り合い、背景の本棚に歓声が上がったり、時に鋭い突っ込みがあったりと、3時間はあっという間に過ぎ、月例会は大盛況のうちに終了となりました。
18時から2次会(オンライン飲み会)が開催され、私は都合により参加できなかったのですが、こちらも大いに盛り上がったのではないかと思います。
オンライン月例会にも多くの長所(関東以外の地区の方、海外の方と直接(?)お話しできる、発表される方を「目の前」で見られるなど)があり、今後の会議室での月例会に生かせるところもあると思いますが、再び会議室での月例会(オークション、リアル二次会)が開催できるようになることを願ってやみません。

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2020年4月30日 (木)

2020年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第7回」解答編公開!

「ボルジア家の黒真珠を探せ!」第7弾の解答編を公開します。皆さん解けましたか?

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2020年3月24日 (火)

2020年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第7回」ヒント編公開!

3月8日に公開した、2月度月例会の謎解きイベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!第7回」、ヒント編を公開します。事件名は正解しましたか?でもどうやら、その事件の中には出てこないようです。来週は解答編です!

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2020年3月15日 (日)

2020年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第7回」問題編その2を公開!

先週公開した、2月度月例会の謎解きイベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!第7回」の問題はいかがでしたか?解けた方も解けなかった方も、続きの問題をどうぞ。


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2020年3月 8日 (日)

2020年2月度月例会イベント「ボルジア家の黒真珠を探せ! 第7回」公開!(問題編)

2月度月例会の謎解きイベント「ボルジア家の黒真珠を探せ!第7回」の問題編を公開します。イベントの中止や延期で悶々としているシャーロッキアンな名探偵の皆様、是非チャレンジを!

 

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2019年12月24日 (火)

2020年JSHC月例会スケジュールについて

JSHC月例会は、原則として毎月第2日曜日に開催しています(全国大会やセミナーの開催月は除きます)。2020年の予定は以下のとおりです。お試し参加も大歓迎ですので、是非皆様のイベントスケジュールに組み込んでいただきたいと思います。

1月12日(日)
2月9日(日)
※3月は全国大会・東京セミナー開催のため休会
4月12日(日)
5月10日(日)
6月14日(日)
7月12日(日)
※8月は軽井沢セミナー開催のため休会
9月13日(日)
※10月は全国大会開催月のため休会
11月8日(日)
12月13日(日)※年末大発送

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2019年10月26日 (土)

2019年9月度月例会参加レポート

2019年9月度月例会の参加レポートを神山知洋さんにお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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はじめに
久し振りに月例会に参加させていただいた。なかなか顔を出すことができず、稼働率の低い幽霊会員としては面映ゆく感じることも多いが、せめて参加したときくらいは貢献しなければという思いもありレポートを引き受けさせていただいた。ご笑覧いただければ幸いである。

「ときには女子会気分でホームズを<結果編>」
今月の一つめの発表は、別所さんによる「ときには女子会気分でホームズを」の発表であった。7月度月例会で実施されたホームズの正典60編に登場する人物の中から、理想のパートナーを投票するという企画の結果発表である。思い起こせばそのような視点でまとまったアンケートが行われたことも寡聞にして知らないし、ジェンダー観が発散し多様化する現在、改めて「パートナーor彼氏/彼女」という視点で登場人物を振り返るのはなかなか興味深い事であろう。

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7月で行ったアンケートの結果発表です。

まず男性視点から人気があったのは、メアリ、アイリーン、ハドスン夫人など。概ね順当な結果と言えるだろう。加えて3人のヴァイオレット嬢も順当に票を集めた模様。
続いて女性視点ではワトスンに加えグラント・マンロウが熱い支持を集める結果となった。やはり器と財布の大きい男性は魅力的ということか。個人的にはモラン大佐の躍進等、女性視点の順位には他のメディアでのイメージも反映されているように感じられるところが興味深かった。
こういった企画を今後定期的に行いその推移を見ていくと、ホームズ物語の受容の移り変わりが見られて面白いのではないだろうか。

「ラグビーW杯日本開催記念 シャーロッキアンによる、シャーロッキアンのためのラグビー観戦ガイド」
今月の2つめの発表は、月例会執行部による、渾身のラグビー愛の感じられる研究発表である。いうまでもなく正典には多くのスポーツが登場しホームズの世界観を形成しているが、ラグビーもイギリスのヴィクトリア期に発祥したという意味では関わりの深いスポーツと言える。しかし、発表者のお二人のラグビーへの熱い情熱の前には、そういった建前を考えるのは野暮というものであろう。

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ラグビーの話だけでなく、一応正典の話もしました。

ホームズ正典にて「ラグビー」が登場するのは、「スリークォーターの失踪」と「サセックスの吸血鬼」の2編である。本発表では、「スリークォーター」については事件発生が1896年2月頃と推定されている一方で、作品中でホームズとワトスンの会話にて言及されているバーシティマッチ(オックスフォード大とケンブリッジ大の対抗戦)は12月開催であったため、事件の発生時期も12月頃ではないかという指摘がなされた。また、作品発表が1904年8月であることを考えるとバーシティマッチよりも数年経ってからドイルが執筆している可能性が高く、それでもなお試合のディテールを記載している(「1ゴールと2トライの差で」など)あたり、ドイルのラグビーへの関心が決して低くなかったことが感じられ興味深かった。
と長々書き連ねたものの、何より両発表者のラグビー愛が何印象的な発表でありました。

 

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2019年10月 6日 (日)

2019年7月度月例会参加レポート

2019年7月度月例会の参加レポートを石原悦子さんにお送りいただきました。この時の発表は全てYouTubeにアップしていますので、合わせてリンクも掲載しています。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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約二年ぶりの月例会参加ということでレポートを仰せつかった。
機材トラブルから先に情報交換やオークションが行われ、14:30より発表開始である。昨年11月の好評を受けての第二弾《シャーロッキアーナ小ネタ集》が今月のタイトルだ。コンパクトな発表をいくつか詰めこんだ濃縮企画。ここから化けるかもしれぬ発表もあってお得感満載である。

まずは執行部による開口一番『「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」について』。クラブに寄せられた“表記の中点(中黒)は不要ではないか”という疑問に答える発表だ。文部科学省『外来語の表記』(H3内閣告示)を皮切りに『読売新聞 用字用語の手引き』(2017)、『記者ハンドブック 新聞用語用例集』(2016)など複数の用字用語集に記載されたカタカナ複合語および中点に関する記述を引き、また実在の例による中点の有無やコーパス『中納言』の検索結果など。さまざまなアプローチから「カタカナ複合語と中点に関して確たる規則や取決めはない」ことを確認し、統一表記としての『日本シャーロック・ホームズ・クラブ』には何の問題もないことを結論付けた。

「日本シャーロック・ホームズ・クラブ」について


次は別所礼子さんの『ときには女子会気分でホームズを♡』。女子会の定番ネタらしい「パートナーなら?彼氏彼女としてなら?」をホームズ60編の登場人物の中から考えてみようという参加型発表だ。結婚と恋愛を別ものと考え、家庭環境(家庭的vsクール)金銭感覚(堅実vs浪費)など8項目のフォーマットに人物を当てはめていく。たとえばパートナーなら「ゴドフリー・ノートン」彼氏なら「ブレッキンリッジ」に複数の項目でチェックが入る。こうして人物像メインで読み返すと、新たな発見もあっておもしろい。そして今回は女子会なので参加者たちも『1.最高のパートナーは?/2.つきあってみるなら?』を妄想して用紙に記入提出。この結果は9月の月例会にて発表される予定だ。意外とどちらもホームズは人気薄な予感が…はてさて?

<参加型>時には女子会気分でホームズを♡


休憩をはさんで森田直子さんの『「Ⅹ色の研究」の研究』。世に『~色の研究』という題名はどのくらいあるのか?と探し出された色が以下の通りである。《ピンク色・茶色・青色・藤色・宇宙色・血色・紫煙色・オレンジ色・黄色・朱色・すみれ色・夜空色・Ⅴ色・謎色・黒レース色・みやこ色・緑色・藍色・琥珀色・ばら色・海色・獅色・灰色・虹色》。いろいろだがミステリーともホームズとも無関係な作品も多い。これほど多く存在する理由は『緋色の研究』という題名の格好良さと『~色+研究』のテンプレートの優秀さにあると結論。今後は『Ⅹ髪連盟』や『バスカヴィルⅩのⅩ』などで探していくとのことで、どんな題名が見つかるか楽しみである。

「X色の研究」の研究


続いて中津留恵日さんによる『青いガーネットの豆』。多くの翻訳で見られるガーネットの大きさ「そら豆よりは少し小さいが」のそら豆について。日本のそら豆は「どの宝石にも大きすぎて符号しない」と専門家も考察(鉱物学者・奥山康子著『青いガーネットの秘密』)するほどのサイズだ。しかし偶然知った仏産そら豆は半分以下の小ささで、これならば違和感もない。しかし原文には“bean”としか書いておらず、英国でbeanといえばほぼインゲン豆のことらしい。そら豆は人気がなく、ヴィクトリア朝時代にいたっては一般的ですらなかった。だが日本ではS4年・菊池武一訳以降『そら豆』と記されることが多い。はたしてドイルはインゲン豆をイメージしたのか?なぜ日本の翻訳ではそら豆なのか?そら豆問題…今回の発表ではここまでだったが面白いので続報を待ちたい。

青いガーネットの豆


軽井沢セミナーが本編となる植草康浩さんの『モリアーティの骨 予告編…違うかも』。まずはイルカの話題からドイルが捕鯨船時代に描いたシャチなどのイラストを紹介。続いて話は『ブラックピーター』へ。ホームズが銛打ちの実験をブタで行ったことについて、人とブタの脂肪の厚さ・吊り下げた状態の不安定さ等を考えたら、ホームズの得た結果は不確実である。なぜ人の死体で(棒で叩いていた時のように)行わなかったのか?おそらくやりすぎて解剖室は出禁になったのだろうと結論。その後ご自宅の本棚と趣味の骨(本物)を公開。骨に関しては外部から鑑定依頼も来るほどで、一枚の写真から様々な条件を当てはめ『イシイルカ』であることを証明した。最近ある骨の鑑定依頼が持ち込まれたとのこと。その鑑定結果は軽井沢セミナーにて!(私は不参加なのでレポが楽しみだ)

モリアーティの骨 予告編…違うかも。 


6番目は北原尚彦さん『最近見つけた古いホームズ翻訳』。『シャーロック・ホームズの古典事件帖』の刊行後、新たに見つけた古い翻訳について。1.『英学新報』M36.4月号~『乞食紳士』…「唇のねじれた男」の翻訳。連載3号めにして掲載誌変更で以下調査中である。2.ポケット講談…T10.8月号『怪 怪 幽谷の秘密』樋口紅陽…「ボスコム谷の惨劇」で原文からの翻訳でなく加藤朝鳥の訳を流用している。3.成光館出版『シャアロック ホルムス物語』/5版6版7版ソフトカバー…この本のハードカバー版(S7年刊.11版)の存在がわかった。4.『新オベタイ・ブルブル事件』北村小松…『讀物と漫画 薫風號』収録。徳川夢声『オベタイ・ブルブル事件』の続編。十数年前に細谷正充氏の書評にて存在を知り、今回現物を確認できたとのこと。聴衆は細谷氏の図書館レベルの書庫の写真にかなりどよめく。5.加納一郎『火星の王冠』…『SFゲーム』収録。火星人探偵シャーロックが登場するロバート・アンダーソン『火星のダイヤモンド』のクイズ版だ。この本はたまたま発見したそうで、とりあえずなんでも開いてみなきゃわからないとのことで北原さんの探求は続く!

最近見つけた古いホームズ翻訳


最後は長浜真人さんの『事実確認の愉しみ』。筑摩書房『ホームズと推理小説の時代』中尾真理(2018.3月刊)に散見する間違った記述について。まずは名前や表記、ミステリー史の流れでおかしな部分などの訂正。次に作家に関しての事柄や説明において、記された情報が古いままであったり、あきらかな確認不足による誤認を指摘し解説が加えられた。いろいろあるがこの発表を聞いて思ったのは、何かを論ずる時の「情報の更新」と「目先の思い込みの排除」の大切さだ。自戒として心掛けていこう。

事実確認の愉しみ


以上で7つの発表が終了。ひとつの発表をじっくり聞くのも好きですが、今回はシャーロッキアンぶつかり稽古のようで。それぞれの個性とこだわりと情報量の多さに心身へとへとになったが、とても面白かった。

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2019年9月16日 (月)

2019年9月度月例会「時には女子会気分でホームズを<結果編>」

9月度月例会では別所礼子さんに、7月に行った「時には女子会気分でホームズを」の投票結果を紹介していただきました。この手のアンケートは意外と珍しく、大変貴重な内容でした。
今回は動画撮影をしなかったため、別所さんのご好意により、当日の資料をご提供いただきました。是非ご覧ください。

時には女子会気分でホームズを<結果編>

なお、7月度月例会の発表内容はこちらです。

 

 

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2019年8月19日 (月)

2019年6月度月例会参加レポート

2019年6月度月例会の参加レポートを二川裕之さんにお送りいただきました。月例会の雰囲気を感じていただければ幸いです。
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いつものように月例会に出席してボーっとしていたら有名な5歳児に叱られた、わけではないのですが、月例会のレポートを執筆するよう天の声が聞こえてきましたので、僭越ながら拙いレポートを書かせていただきます。

6月の月例会は、熊谷彰さんによる、「ニューヨーク公共図書館+大英図書館、資料閲覧報告」の発表でした。昨年3月と本年3月に各図書館を訪問して貴重な資料を直接閲覧されてきたということで、A4で8頁に及ぶしっかりとしたレジュメも配布されました。なお、今回のご報告の内容の大部分は、「シャーロック・ホームズの世界」(http://shworld.fan.coocan.jp/)のサイト内にも掲載されています。

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ニューヨークとロンドン、二大図書館での調査報告でした。


ニューヨーク公共図書館では、バーグ・コレクション所蔵の、A・P・ワット『レター・ブック』第25巻を閲覧されたとのことでした。ワットはコナン・ドイルの著作権代理人で、ドイルと出版社との間の仲介をしていたやり取りが手紙に詳細に残されていて、この本は、書名のとおり、それらの手紙の複写を製本したものだそうです。バーグ・コレクションの閲覧室では、熊谷さんは他に人がいなかったために閲覧室を独占できたとのことなので、さぞ至福の時だったのだろうなと想像しちゃいました。
報告の中では、ホームズ短編がなぜ『ストランド・マガジン』に掲載されることになったのかの秘密が解き明かされました。それは、ホームズ短編は8千語を超える分量だったのに対し、『ストランド・マガジン』以外の他の雑誌では概算7千語以上を使うことができないという制約があったからだったようです。
また、アメリカの著作権法では1891年7月1日を境にその前後で著作権の取扱いが変わってしまうことから、アメリカの著作権を完全に確保するために、ホームズ・シリーズが7月まで連載開始されないようにワットが手配したことが手紙に明記されていたそうです。そのほか、『ボヘミアの醜聞』(ちなみに、1891年4月11日の手紙では「A Scandal of Bohemia」という記載が同年4月14日の手紙では「A Scandal in Bohemia」に変わっています!)の冒頭部の一部を加筆した経緯や、何万語で△△ポンドという生々しい原稿料に関するやり取りなど、実にいろいろなことが判明する、非常に興味津々な報告内容でした。

大英図書館では、1891年の『ポケット・ダイアリー』を閲覧されてきたとのことでした。これは、A6サイズの手帳にドイル自身が書き込んだものをイメージしていただければと思います。その記載によると、ドイルは1891年5月4日から3週間インフルエンザに罹患していたようです。この日付は、モリアーティ教授とのライヘンバッハの滝での死闘の日付と一致しており、否が応でもなにやら想像が膨らんでしまいます。
『ポケット・ダイアリー』には、1891年のドイルの年収も詳細に記述されており、妻ルイーズの収入分を差し引くと約1500ポンド程度だったようで、そのうちホームズ・シリーズからの収入は、熊谷さんの計算によれば4百数十ポンド程度とのことでした。当時の1ポンドは約2万4千円(小林司・東山あかね『シャーロック・ホームズ入門百科』152頁)ということですから、計算すると…。うーん。この金額を高いとみるか低いとみるかは人により評価が分かれるでしょうが、いずれにせよ、すごくリアルに感じられました。

どちらの図書館も、ウェブサイトから登録手続の申込ができるとのことです。あとは現地に行って(ここが一番大変なのでしょうが(笑))、パスポートなどの身分証明書と英文の住所証明書(口座を持っている日本の銀行で発行してくれるそうです)を示せば、図書館利用カードが割と簡単に発行されて、このような大変貴重な書籍や手帳などの実物に、誰でも触れることができるようです!
熊谷さんは来年春ころに大英図書館を再度訪問する野望(?)をお持ちのようですので、今後の報告を(勝手に)期待しております。やはり原典にあたってみることが大事だということがよく分かる、貴重かつ詳細な報告をしていただき、ありがとうございました。
なお、現地の図書館は少しハードルが高いよという方は、これを機会に、ちょうどタイムリーに順次公開中の映画『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』を鑑賞しに行かれたらいかがでしょうか(ただし、上映時間は3時間半!ですけど)。

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